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NAS編
第5回:DLNA/iTunesサーバーやデジカメコピー機能


 最近のNASの中には、DLNAやiTunesのサーバー機能を搭載した製品が多数登場しています。また、デジタルカメラの写真データを1タッチでコピーできる機能を持った製品もあります。


DLNAやiTunesなど、NASが搭載するメディアサーバー機能

 NASが持つ付加価値機能として多く実装されているのが、マルチメディアサーバー関連の機能です。1番メジャーなのは、DLNAサーバー機能でしょう。DLNAとは「Digital Living Network Alliance」の略で、デジタル家電やPCなどをネットワーク経由で接続するための規格です。

 例えば図1のような構成で、NASがDLNAサーバー、デジタル家電がDLNAクライアントの機能を持っていた場合を考えます。


図1:DLNAの利用シーンイメージ

 この場合、「デジタル家電から、どのようなコンテンツがあるかをNASに問い合わせると(1)、NASからコンテンツの一覧情報が返されます(2)。そして、デジタル家電から特定コンテンツを指定(3)、NASが該当コンテンツを配信(4)、デジタル家電上でコンテンツの再生(5)といった一覧の流れが、PCを介さずに可能になります。

 実例として、バッファローのLinkStationのフォルダに音楽コンテンツを用意し(画面1)、これをDLNAサーバー機能を使って公開します。一方、DLNAクライアント(今回は同社のLinkTheater miniを使用、記事URL)でDLNAサーバーを検索すると(画面2)、上記のLinkStationがDLNAサーバーとしてアクセスが可能だとわかり(画面3)、ここでコンテンツを選択すると問題なく再生できるようになります(画面4)。


画面1 画面2

画面3 画面4

画面5
 また、DLNAサーバー以外にもiTunesサーバーをサポートしている場合には、iTunesからNAS内のコンテンツにアクセスが可能になります(画面5)。こうした点はメーカーによって多少差がありますし、DLNAやiTunes以外のメディアサーバー機能を持つケースもあります。

 DLNA自体はガイドラインの制定自体は早かったものの、広く普及するまで時間がかかっていました。しかし、最近では液晶テレビやHDDレコーダなどで搭載例が増えてきています。採用例は今後も徐々に広がりを見せると考えられるため、メディアサーバーとしての利用を考えている場合にはこうした機能のNASを選択するのも便利でしょう。

 コンテンツ連携では、もう1つデジタルカメラのデータ取り込み機能があります。厳密に言えばデジタルカメラというより、USB接続した機器が対象になりますが、実利用としてはデジタルカメラをUSB接続するパターンが1番多いのではないかと思います。

 こちらの操作も簡単で、NASが搭載するUSBポートにデジタルカメラなどを接続して、専用ボタンを押すなどすると(機器によって方法は異なります)、保存したデータがNASにコピーされます。NASに保存したファイルは、上記のようなメディアサーバー機能を使ってPC以外でも確認できますから、PCが一切ない環境でもデジタルカメラのデータ保存や閲覧が可能になるというわけです。

 こうした機能を持つ製品はNAS以外にもありますが、価格性能比の点ではメディアサーバーやワンタッチコピー機能を持ったNASが1番優れていると言っても過言ではないでしょう。


関連情報

URL
  NAS編 索引ページ
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/koko_osa/20269.html

2008/01/07 11:17

槻ノ木 隆
 国内某メーカーのネットワーク関係「エンジニア」から「元エンジニア」に限りなく近いところに流れてきてしまった。ここ2年ほどは、企画とか教育、営業に近いことばかりやっており、まもなく肩書きは「退役エンジニア」になると思われる。
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