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第12回(最終回):知っておくと便利な情報特集
[2004/09/02]
第11回:もっとアピールできるサービスを活用しよう
[2004/08/26]
第10回:祝! 落札!! ~落札されたらすべきこと
[2004/08/19]
第9回:出品後にすること・しておきたいこと
[2004/08/12]
第8回:いよいよ出品手続きにチャレンジ!
[2004/08/05]
第7回:出品のための費用と、写真について
[2004/07/29]
第6回:出品準備~出品前に知っておきたいこと・用意したいもの
[2004/07/22]
第5回:ついに入札デッビュ~! 入札から取引終了まで
[2004/07/15]
第4回:入札デッビュ~! の前に絶対知っておきたいこと
[2004/07/08]
第3回:ウィンドウショッピング&探し物をしてみよう
[2004/07/01]
第2回:ヤフオク参加の準備をしよう
[2004/06/24]
第1回:アナタは宝の山の中に住んでいるのかもしれない
[2004/06/17]

第1回:アナタは宝の山の中に住んでいるのかもしれない


 「ヤフオク」とはご存知の通りYahoo! JAPANが運営しているオークション「Yahoo!オークション」の略である。巷ではさらに省略されて「オク」などと呼ばれることも。

 パワフルなヤフオク利用者を、仲間内では敬意を込めて「オク様」と呼ぶ。まだ取引回数も少なく、評価も200以下の方は「若オク様」。不運にも取引相手との話がこじれて、腹いせに悪い評価を1つ付けられてしまった方は「バツイチ」。バツイチ・バツニはなんのその、それでも良い評価が500を超えたら大オク様! セミプロの域である。さらに1,000を超えたら「オク様限定解除」。5,000を超えたら「カリスマ・オク様」だ。現在の筆者は若オク様を卒業し、オク様街道まっしぐら! 大オクへの道を半分超えるところである(勝手に命名したわけなので、異論がある方は心の中で叫んでください)。
 
 さて。ここまできて「で、ヤフオクって何?」と思っている方はちょっと焦ったほうがいい。アナタは大きなチャンスを逃しているからだ。部屋の中を見渡してみて欲しい。ほら、そこにあるもの、ほんとうに使ってますか? もう何年も使ってないのでは? ホコリかぶっちゃってもったいない……。それ、買ってくれる人いるかもしれないんですよ! もしかしたらすんごくレアで貴重でマニアが大喜びしながら大金払ってくれる商品かもしれないんですよ! いいんですか? そんなもの放置してて。そのうち家族に捨てられちゃうのがオチじゃないですか?

 昔集めてた漫画のシリーズ、「もう読まないんでしょ」と母親に束ねて捨てられてた経験ありませんか? 「アレどうした?」「邪魔だからお隣さんにあげたけど」「マジかよ! あれ、売ろうと思ってたとこなのに!! 」「知らないわよそんなこと! だいたいあんたはどこにでもモノ積んで……」――こうなる前に一刻も早く手を打つ必要がある。

 というわけで。真剣に知らなかった人、使ってみようと思いつつきっかけがつかめなかった人のために、当コーナーでは筆者の経験を元に、ヤフオクについて解説していこう。


ネットオークションは買い物の選択肢を増やす

 ヤフオクは、国内最大のネットオークションサイトだ。平均総出品数は633万件、オークションの月間ページビューは62億7,800万、月間取扱高は約460億円という巨大サイトなのだ(2004年5月実績)。

 「オークション」とは、品物を売りたい「出品者」がいて、それを買いたい人たちが「買ってもいいと思う金額」を次々と「入札」して提示しあい、もっとも高い金額を提示した者が「落札者」となる、つまりその商品を購入できるという売買形態だ。「競売」とも言われる。これがインターネット上で行なわれているのがネットオークション。ヤフオクはそのネットオークションサイトの中でも最大規模というわけ。

 ただ、オークションサイトというと、マニア向けのレアものや不用品の取引ばかりが行なわれているのではないかと思う方もいるだろう。しかし実際はまるで違う。個人売買の域を超えた巨大なショッピングモールを形成しているといっても過言ではない。店として「出店」している家電やアクセサリー関係他の通販サイトも多数見られ、中古品だけでなく、新製品も入手可能だ。

 インターネットが普及する前なら、買いたい商品があったら新聞チラシなどを頼りに近所のお店に買いに行っていただろう。それが、インターネット通販が普及してからは、店頭価格と通販サイトの価格を比較して、手ごろなほうを買っていたのではないか。しかし今はさらにヤフオクが加わったといってもいい。店頭価格、直販なども含めた通販サイト価格、ヤフオクに出品されている新品商品の価格を比較しながら、さらに送料は? 手数料は? 消費税は? 納期は? と情報を収集し、もっともベストな選択をすることが可能なのだ。特に新品かどうかはこだわらない、むしろ中古で格安ならOK! という場合は、まさにヤフオクの出番といえる。場合によっては想像以上に充実したおまけつきで入手することもできるのだから。


落札者としてデビューするか、出品者としてデビューするか

 ヤフオクに落札者としてデビューするか、出品者としてデビューするか。ビギナーならまず落札者になってみることをお勧めしたい。つまり購入から。なぜなら、出品者のほうが出品から商品の発送まで、すべきことや配慮が多いからだ。落札者の立場から出品者の対応を見ることで、自分が出品するときの参考にできる。実は筆者もヤフオクデビューは落札者からだった。

 今をさかのぼること2年前の2002年の3月10日、PCのディスプレイを見ながらかなり緊張していたのを覚えている。ハッと見つけたとある出品物。昔から欲しかったものだ。しかもなんと多数のおまけ付き。早く参加しないとこんなお得な出物にはなかなか出会えないかもと焦りながら、あわてて会員登録を開始。いったんはウォッチリスト(気になる出品物を登録して経過を見ることができる機能)に登録して入札の様子を観察。そして終了間際のバトルを乗り越え、初めて商品を手に入れたのだ。出品者からの連絡に対する回答、代金の振込み、商品の到着、出品者の評価といった一連の作業を済ませたときにはかなりホッとしたのを覚えている。
 
 そして初めて「非常に良い」が1つついた。こうして地道に信頼を積み重ねていくことが、その後の取引に影響を及ぼすのである。落札者の場合、きちんと返事を返し、予定通りに振込みを済ませれば信頼を得ることができるため、良い評価の蓄積もしやすい。「オク様は信用第一」なのだ。


売る醍醐味を知ったらやめられない!

 落札者として欲しかった商品をかたっぱしから集めていくのもいいが、やはりお小遣いをゲットできるのがヤフオクの醍醐味だ。筆者の場合「炊飯器」を売ったのが出品者デビュー。しかも11年モノの炊飯器。ファジーなんて言葉がはやった時代の炊飯器だが、新しく買い換えたので不要になったのだ。当然元箱はないが、かろうじて説明書が出てきた。売れるのかと半分は疑いながら写真を撮り、説明文を用意して出品。スタートは210円だった。値段に特に根拠はなかったが、手数料を支払ってもプラスになればいいやくらいの発想だったと記憶する。

 しばらくは何の動きもなかったのだが、ありがたいことに入札者が現れた。210円だぞ! 持ってけコノヤロー! と思っていたら、終了間際になってなんとその人にライバル出現。最終的に1,110円で落札された。これには正直驚いた。そして気がついたのだ。「こんなの絶対に売れない」なんて思い込みは捨てたほうがいいと。

 それからというもの、不用品を探し出しては出品してみたら、売れるのである。おまけでもらったアルミ製名刺入れ、引き出しの奥で眠り続けていたノベルティグッズ類、間違えて購入したため押し入れにしまっていたパッケージソフト、手に合わなくて使わなくなったマウス、買い替えで不要になったMOドライブ等々……部屋で放置していれば邪魔になるだけのものをことごとく出品しては処分することに成功した。中には「そんなお値段にしていただいてありがとう」といいたくなるような高騰ぶりを見せたものも。

 ヤフオクがなかったら誰かにあげてしまうか、それこそ不燃ゴミとして捨ててしまう可能性の高いものばかり。それらが現金に変わるのだからこんなに嬉しいことはない。中には「出品したり梱包して発送するのがメンドクサイから捨てちゃう」という人もいるが、ちょっと手間を惜しまなければお小遣いを稼ぐのも夢ではないというわけだ。

 最近お小遣い減らされたという方、欲しいものがあるからその資金を貯めたいという方、これを機会にヤフオクに挑戦してみてはいかがだろうか。

 次回はヤフオクに参加するための準備について解説する予定。お楽しみに!

::: ヤフオクは人生!? :::

 ある時、Windows版で10GタイプのiPodが欲しかった筆者は、夜な夜なめぼしい商品が出品されていないか物色していた。中に気になる商品が数点あった。いずれもあと1~2日で終了だ。店で新品を買うべきか、ヤフオクで入札すべきかどうか掲載されている写真を眺めながら迷っていた。じーっと眺めていたらふと気がついた。「こっ……このテーブルの柄は!」

 もしやと思い、その出品者の評価をチェック。過去にどんな商品を取引したのか見るためだ。そこに現われていたのは、特定の人物を思い出させるのに十分すぎるほどの強烈な趣味嗜好だった。その特定の人物にメールを書いた。「もしかしてYahoo! JAPAN ID ****って、○○さんではないですか!? 」すぐに返事が来た。「当たり!! 」IDからご本人を推定することはできなかったが、履歴は正直であった。

 そういえば友人がこう言った。「ヤフオクは人生」。そのココロは「取引内容にその人が表われる」その通りかもしれないなぁと思った筆者であった。


関連情報

URL
  Yahoo!オークション
  http://auctions.yahoo.co.jp/

2004/06/17 10:45

すずまり
モニタ上の世界と触感のある世界の共存を目指し、WEBデザインとライターとハンドメイドアクセサリーつくりをしている申年。お気楽文章が得意で、多機能で便利なものならなんでも大好き。見て・読んで・使ってHAPPYな世界を目指しつつ、日夜精進中。
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