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アウトドアやビジネスで役立つ日本全国の地図が見られる「ウォッちず」
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「ウォッちず」トップページ
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いよいよ夏真っ盛りですね。夏休みは都会を離れてリゾートに遊びに行く人も多いと思いますが、みなさんは“海”派ですか? それとも“山”派? アタシは断然、山ですね。関東地方のビーチリゾートというのは、どこに行っても混んでいるけど、山ならマイナーなところを選べば人がほとんど来ない山域もたくさんあります。人混みが嫌いなアタシみたいな人間にとって、山はリゾートとして最適なんですね。
ただし、人の少ない山を登る場合は、それなりの装備をしなければなりません。とくに地図とコンパスは、必須と言ってもいいでしょう。登山の地図として定番なのは、なんといっても国土地理院の25,000分の1の地形図ですね。市販の地図のベースにもなっているこの地形図は、全国の書店で安価に手に入れられる汎用性の高い地図です。これを折りたたんでザックに入れておくだけで、なんとも安心な気持ちになってきます。
実はこの国土地理院の地図をインターネット上で見られる「ウォッちず」というサイトがあります。まだ試験公開の段階ですが、日本全国の25,000分の1の地図が自由に見られます。山好きの人だけでなくいろいろな用途に使えるので、ブックマークに入れておいて損はないですよ!
■ 日本全土の地形図を網羅
それではトップページにアクセスしてみましょう。まだ試験公開の段階だけあって簡素な作りですが、メニューも少なく見やすいページだと思います。注意書きにはサービスの位置付けや必要な環境、検索方法などが書いてあるので、一通り読んでおきましょう。このサービスで提供している地図は、カラーの25,000分の1の地図情報で、北方四島と竹島以外は日本全土を網羅しています。ただし、閲覧を目的としているので、プリントアウト機能はないとのこと。この辺りはちょっと残念ですな。できたら家で気軽にプリントアウトして、そのまま地図として使えれば最高なんですけどね。まあブラウザの印刷機能を使えば無理ではありませんが、地図の場合は縮尺の問題があるので、ぜひ印刷を前提としたサービスの提供をお願いしたいですね。
このような課題もありますが、基本的にこのサイトはトップページや地図のページへのリンクが自由なので、その点はヒジョーにありがたいです。山好きな人同士がネット上で交流するときに、この地図を引用しながらコミュニケーションすればきっと話も弾むでしょう。
■ 豊富に用意された検索方法
トップページから「ウォッちず」のタイトルバナーをクリックすると、地図の検索画面が表示されます。検索方法は、「索引図による検索」「地名および公共施設名による検索」「経緯度による検索」「市町村名による検索」の4通りです。
まずは「索引図による検索」を試してみましょう。日本地図が20万分の1地勢図の範囲で区切られているので、探したいエリアをクリックしてみてください。指定したエリアが拡大されるので、そこからさらにエリアを絞っていきます。たとえば中部地方の「高山」というエリアを指定した場合、そのエリアの中は「上高地」「松本」「乗鞍岳」「立山」などの16エリアに分かれて表示されます。各エリアは、「立山」の場合は「剱岳」「十字峡」「立山」「黒部湖」とさらに4つのエリアに分かれており、その1つ1つが「北西」「南西」「北東」「南東」と4つのエリアに分かれているので、いずれかをクリックすると25,000分の1の地図が表示されます。エリアが細かく分かれているのにもかかわらず、クリックで指定する回数は少なくて済むので、使い勝手はなかなか良いですよ。
次に「地名および公共施設名による検索」を使ってみましょう。これは地図中の施設名で検索できる機能です。たとえば「立山黒部アルペンルート」の拠点である「室堂ターミナル」の「室堂」というキーワードで検索すると、「室堂平」や「室堂乗越」などさまざまな地名が表示されます。いずれかをクリックすれば、その地名や施設が含まれる地図が直接表示されるので便利ですよ。このほか、経緯度による検索や市町村名による検索も簡単です。この機能はGPS機能を搭載した携帯電話や、ハンディGPSなどを持っている人にとってはありがたいですね。
■ クリックした地点の経緯度がわかる
さて、地図が表示されたら、地図中のどこかをマウスでクリックしてみましょう。ブラウザが立ち上がり、クリックした地点の経緯度が表示されます。このような経緯度を調べる機能は、普通の地図サイトではあまり見かけないユニークな機能ですね。活用の仕方はいろいろありますが、たとえばGPSでウェイポイント(特定の地点を表わすデータ)を登録するといった使い方が考えられます。また、最近大人気の3D地図サービス「Google Earth」でも、経緯度によって地点を指定する機能がありますが、25,000分の1地形図で経緯度を調べて、その経緯度をGoogle Earthに入力して地形を見るといった使い方もできると思います。
ちなみに経緯度情報は「世界測地系」に従った座標値になっています。測地系(経緯度を表わすための方式)が違うと異なる場所が表示されてしまうので、他の地図ソフトやGPS機器と連携する際には注意してください。トップページにの下部に、測地系を変換するプログラムへのリンクなどが掲載されているので、このような情報も活用しましょう。
■ 地図を立体的に見られる立体視サービス
このサイトではさらに、「立体視サービス」というサービスも提供しています。これは、地図を立体的に見られるような視覚的効果を付加して、地図情報を表示させるサービスです。立体視には画像を2つ横に並べて、右目で右側の画像を、左目で左側の画像を見る「平行法」と、寄り目にして左側の画像を右目で、右側の画像を左目で見る「交差法」と、赤色と青色の2色を重ねた画像を赤と青のセロファンを貼った眼鏡で見る「余色法」の3種類がありますが、このサイトでは3種類とも見ることができます。
立体視画像を見るには、25,000分の1の地図画面の上部メニューで「立体視画像」にチェックを入れて、地図中のどこかの地点をクリックします。ブラウザが立ち上がって立体視画像が表示されるので、立体視の方式を選択しましょう。画像の幅や高さの誇張の度合い、画像中心感の距離なども細かく設定できるので、うまく立体的に見えるように調節してください。地図を立体的に見るというのはなかなか面白いもので、とくに山など起伏が激しい地域を立体視で見ると、まるで地形が浮き出てくるように見えて楽しいです。
従来は書店に行かなければ手に入れられなかった25,000分の1の地図ですが、このサイトのおかげで、家にいながらにして日本全国の地図が見られるようになりました。しかも立体視サービスというオマケまで付いているんだから、こりゃ使わない手はありません。まだ試験公開の段階ですが、早く本格的なサービススタートを期待したいですね。では、また!
■ URL
ウォッちず
http://watchizu.gsi.go.jp/index.aspx
2006/08/17 12:01
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下柳泰三 自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる! |
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