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省庁発表の統計データを自由に探せる「統計データ・ポータルサイト」
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統計データ・ポータルサイト
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今となってはアタシもこういう口調になってましたが、若いころ業界紙の記者やってたころは、ものすごくお堅い文章ばかり書いてました。新聞っていうのは文章も堅苦しいですが、記事の中にとにかく数字が多く出てくるので、俗に言う“裏取り”が大変でしたね。誰かと立ち話しながら聞いたことはもちろん、メーカーから配信されるプレスリリースさえも、そこに書かれているデータが本当なのかを疑ってかからないと思わぬ間違った記事を書いてしまう恐れがあります。
そういうデータの裏を取るとき、アタシはよく図書館に行きましたね。その街の人口の移り変わりなどの基本情報から経済状況など、いろんな統計データが置いてある図書館はまさに情報の宝庫です。ところが日刊紙っていうのは締め切りがとてもタイトだから、時間をかけて調べるわけにもいきません。その日に取材したソースはその日のうちに書くのが基本なので、時間がないときはわざわざ図書館に行くのがとてもツラかったですねー。だから毎日のように、「オフィスにいながら各種の統計データが見られれば良いな~」なんて思ってました。
そんなアタシの思いがついに実現した!と思ったのは今年になってからです。なんと今年1月から「統計データ・ポータルサイト」という実にありがたいサイトを総務省統計局が作ってくれたんですね。このサイトを見れば、各省庁が発表しているさまざまな統計データを自由に探せるという画期的なもので、これはアタシにとってはかなりウレシイことでした。というわけで今回は、政府統計がてんこもりのこのサイトをたっぷりご紹介しましょう。
■ 各省庁の統計データを横断検索
まずはトップページにアクセスしてみましょう。パッと見は少しゴチャゴチャしてるように見えますが、最上部のメニューでわかりやすく整理されています。とりあえず3つ目の「統計データへのガイド」をクリックしてみてください。左に定型検索のメニューが表示され、右にフリーワード検索欄が表示されます。自分の知りたい統計データの名称を正確にわかっている人なら問題ないかもしれませんが、初めての人はまず「分野別統計データ」の中から知りたいジャンルを指定して絞っていく方が良いと思います。
たとえば、「人口・世帯」をクリックすると、「人口」「世帯」「人口動態」「人口移動」と、右側にさらに詳しいメニューが並び、その中からさらに「人口」を選ぶと、人口統計に関する統計のリストが表示されます。単なる人口統計から人口推計、海外在留邦人数、旅券統計、出生動向基本調査などさまざまなデータが出てくるので、この中から思わぬ有用なデータを発見できるかもしれませんね。
アタシ的には「将来推計人口」というデータに目を奪われました。これは現在の人口推計から将来どれくらい人口が増えるかを予測したものです。世間では出生率が下がった下がったと騒がれていますが、この手の記事というのはこういうデータを基にしているわけですね。
見たい記事を決めたらリストの右に表示されている「説明」と書かれたボタンをクリックすると、その統計データが見られるサイトのURLが表示されます。実はこのサイト自体に統計データが置いてあるわけではなくて、データそのものは各省庁が運営するサイトにそれぞれ格納されているんですね。分散して置かれた各種の統計データを横断検索できるのがこのサイトのメリットというわけです。
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「統計データへのガイド」ページ
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URL表示欄
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■ 検索方法も多彩
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50音別キーワード検索画面
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分野別メニューから辿っていく方法の他にも、50音別に統計名やキーワードを指定したり、統計を実施した機関別に指定したりと、さまざまな検索方法が可能です。知りたい統計情報を質問文の形で入力できるフリーワード検索もあり、なかなか親切ですね。しかもフレーム左下には「必要な情報が取り出せましたか?」というアンケートを記入するコーナーもあります。
きっと、ここで集めたアンケートを参考にして、操作方法の向上に役立てていくんでしょう。とにかく政府が実施している統計データというのは数が膨大だし、省庁によってHTMLだったりPDFだったりと配布形態が違いますから、それを検索するシステムを整えるのも大変でしょう。誰でも手軽に知りたい統計データをさっと見つけられるように、これからも改良を重ねてもらいたいものですな。
さらに、今の時点では統計データをWebに掲載していない省庁もあるので、ここで検索することはできても、データそのもののリンクは書かれていない場合もあります。すべての統計データをデジタル化するのは大変かもしれませんが、お役所のみなさんには、できるだけ多くの統計をWebで見られるようにぜひ頑張っていただきたいものです。
■ レポートやプレゼンに役立つビジュアル統計DB
このサイトには各省庁の統計データへのリンク検索の他にも、さまざまなコーナーがあります。国勢調査の結果がグラフィカルに分かる「統計で見る日本の姿」や、各種統計データを好みのレイアウトで見られる「ビジュアル統計DB」などは、収録データの量はそんなに多くはないもののけっこう使えます。ビジュアル統計DBでは表やグラフ表示だけでなく、地図を使っての表示も可能です。ここで加工したレイアウトを会社のレポートやプレゼンテーション資料に貼り付けて使うのも良いかもしれませんね。グラフなどの画像ファイルも、SVG形式やGIF形式、PDF形式の3種類から選べるので便利です。
また、ビジュアル統計DBの中には「統計データマップ」「統計で見る地域」という小コーナーも用意されていて、ここでは日本の全国地図を見ながら人口増減率や事業所増加率、従業者増加率などのデータがグラフィカルに表示されたり、各市町村の統計データが詳しく見られます。このような分かりやすいデータがあると、統計に不慣れな人でも親しみやすくてイイですね。自分の住んでいる街の人口や産業別の事業所数はどれくらいなのか、改めて見てみるとけっこう面白いものです。
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ビジュアル統計DBトップ
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グラフ表示画面
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■ 統計データの公表予定もわかる
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公開予定画面
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この他にも各省庁の統計サイトやデータベースのリンク、そして統計制度に関する詳しい解説が見られるコーナーもあり、なかなか充実した内容です。トップページの上部に、主な統計データを集めた「統計トピックス」や新着情報を並べているのも親切ですね。あと、忘れてはならないのが「公表予定」のコーナーです。ここを見れば、どんな統計データがいつ発表されるのかという情報が分かるのでヒジョーに便利です。とくに株式投資をしてる人にとっては、この手の情報がリストとして整理されていると助かるんじゃないでしょうか。
というわけでこの統計データ・ポータルサイト、かなり画期的なサイトだということがお分かりいただけたかと思います。雑誌や新聞というのはこのような統計データを読者が読みやすいようにかみ砕いて記事にしているわけですが、たまには何のフィルターもかかっていない“素”の統計データを見て、自分なりにあれこれ分析するというのも良いものです。こういうデータがきっかけとなって、仕事上で思わぬアイディアが浮かんでくるかもしれませんからね。ビジネスや株式投資、夏休みの自由研究まであらゆるシーンで役立つ統計データ・ポータルサイト、知っておいて損はないですよ!!
■ URL
統計データ・ポータルサイト
http://portal.stat.go.jp/
2004/08/02 11:51
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下柳泰三 自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる! |
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