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検索ヒット数を株価に見立てる「芸能証券」で“旬”の芸能人をチェック!!


 実はこのアタシ、フリーになる前はとあるタウン情報誌の編集者をやっておりました。その編集部で最初に任されたのは「音楽」コーナー。いろんなミュージシャンの新譜やライブの情報をまとめるのが主な仕事でした。

 で、そのコーナーでは毎回インタビューも載せていたんですが、取り上げるミュージシャンの選定がこれまた実に難しい。人気のあるミュージシャン同士が同じタイミングで新譜を発売するときは、どちらを選んで良いのかよく悩んでいました。しかも、こういう雑誌の編集部にはレコード会社の宣伝担当者がよくPRしに来るんですが、彼らとの付き合いも考えなくてはならないので事態はとても複雑です。

 最終的には自分の主観で「こっちの方が人気がある! 間違いない!」と強引に結論を出してましたが、「本当は、あの宣伝担当者に義理立てしたんじゃないの?」なんて自問自答したりして、その判断が正しいかどうかはいつも今ひとつ自信がありませんでしたね。ただでさえ芸能人の人気っていうのは流動的だし、人気の指標は1つではなく、CDの売上枚数やコンサートの動員数、メディアでの露出率などさまざまな要素を見なければならないのでカンタンには決めつけられません。

 ところがそんな芸能人の人気を判断する上で新たなバロメーターが、最近になってインターネット上に登場しました。その名も「芸能証券」というサイトです。今、どんな芸能人が“旬”なのかが立ちどころにわかってしまうというこの画期的なサイト、タレントを好きな人にぜひオススメしたいですね。





見た目はフィナンシャルサイトそっくり

芸能証券トップページ
 何やら「株式市場」が賑やかな今日この頃ですが、この「芸能証券」は芸能人の人気を「株価」に見立てて、その変動を追っていこうというサイトなんです。人気の目安は、なんとあのGoogle。Googleで検索した際のヒット数を参考にして、芸能人の人気を芸能証券が算出しているのです。

 今や芸能人のファンサイトはもちろん、無数のブログや掲示板などで、芸能人についての話題が日夜やり取りされています。検索のヒット数が多いというのは、それだけインターネット上で話題になる頻度が高いということですね。芸能界の最新情報に敏感な人にはもちろん、ひょっとしたら企業の宣伝担当者がCMに出すタレントを決める際にも役立つかもしれませんぞ。

 それではトップページを見てみましょう。「マーケット概況」「注意喚起銘柄」「投資情報」なんて言葉がズラリと並んでいて、まるでフィナンシャルサイトのようです。しかし、よく見るとそこにリストアップされているのは芸能人の名前ばかりで、ここが人気分析サイトであることを思い出させてくれます。

 まずはページ上部にある検索窓に好きな芸能人や有名人の名前を入れて検索してみましょう。その芸能人の検索ヒット数の推移を示したチャートが表示されるはずです。このように検索の対象となることを、このサイトでは株式市場になぞらえて「上場」と呼んでいます。ちなみに芸能人そのものは「銘柄」と呼ばれます。





さまざまな上場先

 新規銘柄の上場に際しては、その芸能人のメディアへの露出度や話題度を考慮して審査が行われます。上場する先の市場は、すでに幅広く名が知られていると認められた銘柄が属する「芸証1部・2部」、成長途上の芸能人が属する「GASDAQ(ギャスダック)」、そして新興女性アイドルが属する「芸証シスターズ」、新興お笑い芸人が所属する「芸証ペガサス」の4種類があります。これらの市場の名称は、どれも実際の株式市場のパロディになっていて、株式に詳しい方なら思わずニヤリとしてしまうのではないでしょうか。

 また、このサイトでは芸能人やミュージシャンだけでなく、アナウンサーやスポーツ選手、声優、文化人などさまざまなジャンルをカバーしています。まだこのサイトが稼働し始めてから日が浅いので、収録されていない有名人もけっこういますが、もし目当ての有名人が上場していない場合は、新規に上場申請をすることも可能です。

 メニューの「新規上場(IPO)情報」の中から、「新規上場を申請する」をクリックしてみてください。1人につき4日に一回、4銘柄までという制限はありますが、ここで多数の人から上場申請が集まれば、新規銘柄の上場への道が開けます。逆に言うと、このサイトの新規銘柄を頻繁にチェックしておけば、人気上昇中の新人の情報もいち早く掴めるわけですね。


リスト画面 チャート画面




芸名の表記の揺れには柔軟に対処

 ところで、上場された銘柄はどのようなルールで検索されているのでしょうか? まず取引時間ですが、これは実際の証券取引所と同じく、平日の午前9時から11時と、0時30分から3時(芸証ペガサスの場合は3時10分)の2回。さらに、「年始発会日と年末納会日は午前のみ」という点までも証券取引所に倣っていて、なかなか笑えます。この決められた時間内に、一定時間ごとに各銘柄で検索していくわけですね。

 検索する際に使われるキーワードは、たとえば「SMAP」の場合は「スマップ」でも検索したり、「モーニング娘。」の場合は句点を省いたものでも検索したりと、芸名の表記の揺れによるヒット数の増減に対しては、かなり柔軟な姿勢で臨んでいるようです。芸能人と一口に言っても、ありきたりな名前から奇抜なグループ名まで色々あるので、できるだけ公平になるように配慮しているわけですね。

 このようなルールで検索は行なわれるわけですが、実際にGoogleで検索すると、膨大なデータを複数のサーバーで処理するために、検索するたびに結果が異なる「Google Dance」という現象が起きることがあります。芸能証券ではこのブレまでをも詳細にチャートに反映しているとのことです。ただ、各銘柄のチャートを見るとわかりますが、実際の株価と違って、たった一日ではそんなにヒット数は乱高下しません。3カ月とか6カ月とか、長期のスパンで見ると上下の様子がよくわかって楽しめるのではないでしょうか。


一日の推移 6カ月の推移




オーディエンスで視聴者の期待度がわかる

オーディエンス
 このサイトでは各銘柄のチャートを見るだけでなく、ユーザーがその銘柄の今後の動向を予測するコーナーが設けられています。各銘柄のチャート画面の中にある「オーディエンス」というリンクをクリックしてください。ここでは視聴者が「買い」「アウトパフォーム」「中立」「アンダーパフォーム」「売り」の5段階の中から、今後半年の動向を予測して投票できるようになっています。

 なお、これらの投票を平均した値は「レーティング評価」として算出されるので、これを見れば他の視聴者がその芸能人に対してどのように思っているかがわかるようになっています。つまり、これから先の予測までしてしまおうということですね。オーディエンスのコーナーは、まさに各芸能人に対する視聴者の「期待度」が反映されていると言って良いわけで、今後サイト視聴者の数が増えていくにつれてどんどん盛り上がっていくんじゃないでしょうか。

 というわけで、「検索」というツールを活用して今までにない「遊び」を提案した芸能証券の面白さ、おわかりいただけたでしょうか。ただ単に遊びとして楽しめるだけでなく、このままヒット数の推移情報を蓄積していけば、それはそれで貴重な記録となります。なんせ、チャートを見れば新人タレントがいつ頃から名が売れ出して、いつブレイクしたか、ということが詳しくわかるわけですからね。

 このほかにも芸能証券には視聴者同士で交流するための掲示板や、各種芸能人関連サイトのリンクなど、“芸能ポータルサイト”としての情報も豊富に用意されています。すでに口コミで広がりつつこのサービス、芸能通のアナタなら見逃せませんよ!


関連情報

URL
  芸能証券
  http://www.gse.jp/

2005/04/11 11:06

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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