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高速スクロールで地図サイトの未来が体感できる「エリア情報検索実験」


 この連載でも何回かWebの地図サイトについて取り上げていますが、最近の地図サイトはブロードバンド対応で大きな地図が見られたり、無線LANのアクセスポイントが検索できたりと、ますます機能が充実してきましたね。ユーザーにもかなり浸透してきたようで、近頃は人と待ち合わせをする際に、地図サイトのリンクが貼り付けられたメールを受け取る機会が多くなってきました。なんたって無料で常に最新の地図を見られるんだから、使わない手はないですよね。

 一方で、このように地図サイトが普及してきた今でも、アタシは市販の地図ソフトを手放せません。やっぱりインターネットに比べるとレスポンスは早いし、連続して住所検索をするときなんかは重宝しますからね。また、スタンドアロン環境でも使えるので、ノートパソコンなどに入れても便利です。あと、なんたってパッケージの地図ソフトはインターネットに比べて地図のスクロールが断然速いです。上下左右への画面スクロールがサクサクできるから、使っていてとても気持ちいいんですね。この点において従来の地図サイトはパッケージソフトにどうしても太刀打ちできませんでした。

 そんな中、なんとパッケージソフト並のスクロールを実現した地図サービスがこの春に登場しました。数々のユニークなサービスを提供している「gooラボ」が4月から始めた「エリア情報検索実験」です。今までの地図サイトに満足していなかった地図好きのアナタ、ぜひお見逃しなく!





驚くほどスムーズなスクロール

「エリア情報検索実験」トップページ
 何はともあれ、まずは使ってみましょう。使い方はとてもカンタンで、トップページの検索窓に住所や駅名、郵便番号などを入れて検索ボタンを押すだけですぐにそのエリアの地図が表示されます。ここでは東京23区の1つ、「台東区」で検索してみましょう。上野駅のそばにある台東区役所が表示されましたよね。このように大まかな市区名で検索した場合は、その市区の役所が表示されます。地図自体は「goo」の本サイトで提供されている「goo地図」と同じもので、縮尺は地図の一辺が100kmのサイズから150mのサイズまで、10段階用意されています。縮尺の切り替えは、その下の「-」「+」ボタンでも可能で、地図上でダブルクリックするとその地点が中心になります。このような点は他の地図サービスと同じですね。

 さて、地図そのものはgoo地図と共通でも使い心地はまったく違います。goo地図では地図画面の周りに矢印があって、これをクリックすることで隣接エリアに切り替えるわけですが、「エリア情報検索実験」の場合は矢印はありません。パッケージソフトと同じように、マウスのポインタを地図上でドラッグするだけでスムーズに地図がスクロールできます。ちょっとだけ画面をズラしたいときにもマウスを動かすだけでスッと反応してくれて、とても快適ですよ。チマチマ矢印を押さなければならない普通の地図サイトと比べると雲泥の差ですな、こりゃ。


地図画面 goo地図




ブロードバンドならではのサービス

 アタシがメインで使っているパソコンはPentuium IIIの1GHzという一昔前のマシンなんですが、それでもスクロールはとてもスムーズで、地図の端の方でわずかに残像が映るくらいです。これなら最近の高性能なパソコンなら、ほぼストレスなく使えるんじゃないでしょうか。一体どのような技術を使ってこのような高速スクロールを可能にしたのかは分かりませんが、とにかく感動しますよ。

 また、メイン地図の右上には表示されているエリアの広域地図が小窓で見られるようになっているんですが、この小さな広域地図も同じようにスクロールが可能です。適当な位置でスクロールをやめるとメインの地図もパっと現在地に位置が変わるので、この広域地図をうまく利用すると、より効率の良い地図探索が可能になると思います。

 ちなみにこのサイトをダイヤルアップ環境でも使ってみましたが、ちょっとスクロールするだけですぐにダウンロード待ちになってしまい、ブロードバンド環境のときとは雲泥の差でした。「Mapion」などの地図サイトでは、ブロードバンド対応ということで従来より大画面の地図サービスを提供していますが、「エリア情報検索実験」の場合はブロードバンドをスクロールの高速化に活かしたわけですね。まさにこのサービスはブロードバンドならではのサービスというわけで、ブロードバンドユーザーはこういうサイトをバンバン使わないと損だと思いますよ。





わかりやすい情報検索

 「エリア情報検索実験」の魅力は高速スクロールだけではありません。タイトルの通り、このサービスは地図上からさまざまな情報を検索できるようになっています。地図の右に「検索条件」というプルダウンメニューがあるので、これをクリックしてください。ATMやグルメ、不動産会社など、いろいろな施設のリストが載っていますね。この中から探したい施設を選ぶと、地図上に施設のアイコンが表示されるという仕組みになっています。ATMの場合は「銀行」「郵便局」「コンビニ」の3種類、グルメの場合は「和食」「洋食」「中華・アジアン」「お酒」など計10種類の中から選べるようになっています。施設のアイコンは、銀行やコンビニの場合は会社のロゴが使われていて、とてもわかりやすいですよ。

 しかも、プルダウンメニューの下には「結果リスト」というコーナーがあり、ここには地図上の中心から近い順に、選択したカテゴリーの店名が表示されます。さらに、リストの中のどれかをクリックすると、今度は地図が動いてその店の位置を表示するようになっています。地図上から店名を割り出すのも、反対にリストから地図を呼び出すのも自由自在なので、ヒジョーに分かりやすいです。

 また、リストの店名の横に虫眼鏡のマークをクリックすると、「ぐるめピタ」や「ぐるなび」などのグルメ検索サイトに掲載されている各店の情報をダイレクトに見られるようになっています。住所や電話番号、営業時間などの基本データに加えて、その店の特徴や平均予算、駐車場の有無やクレジットカードが使用可能かどうかなど、詳細な情報が得られるので便利ですよ。


結果リスト グルメ情報




地図サイトの未来が体感できる

路線情報画面
 このサービスはグルメ情報だけでなく、電車の路線情報とも連動しています。地図画面の下部に「最寄り駅を探す」というリンクがあるので、ここをクリックしてみましょう。gooが提供する路線検索や時刻表検索を呼び出せます。このような数々の付加機能は、高速なスクロールと組み合わせることによって、より一層便利に使えるわけです。マウスを動かすだけでササッと目的地を探し出して、その周りのグルメ情報を検索。遊んだ後は路線検索を利用して、最短の経路で帰路につく。そんな一連のアクションがとてもスムーズに行なえるのが、このサービスの最大の魅力なんですね。ブロードバンド環境がもっと充実していけば、いずれはこのような高速なスクロールが当たり前になっていくんじゃないでしょうか。ぜひこのサービスを通して、地図サイトの未来を体感してください。では、また!


関連情報

URL
  エリア情報検索実験
  http://map.labs.goo.ne.jp/

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goo、スクロールできる地図サービスの実証実験

2005/05/23 10:59

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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