下柳泰三の「今週のヨカッタ!!」

　先週は雑誌の記事検索ができる「雑誌の新聞」をご紹介しました。主な週刊誌の記事の見出しを集めたデータベースとして、このサイトはとても便利なサイトだと思います。一方でこのサイトの場合、記事の見出しを検索できるものの内容そのものを読むことはできません。

　これは商業雑誌だから当たり前のことですが、たとえば書店で記事をパラパラっと斜め読みしたりとか、アナログなら可能な行為ができないとちょっともどかしさも感じてしまいます。雑誌というのは新聞と違って誌面デザインも凝ってますから、せっかくなら記事のビジュアル面も確認できるような仕掛けがあるとウレシイですよね。

　そんな人にオススメしたいのが、「雑誌ネット」です。「雑誌の新聞」と似たURLのこのサイトは、なんと雑誌の誌面をそのまま見られるサービスを提供しています。扱っている雑誌のラインナップも「雑誌の新聞」とはちょっと違っていて、マンガ雑誌やファッション誌などビジュアルが充実した雑誌も取り揃えているので、幅広い人が楽しめますよ！

■ 会員登録することで鮮明なページ表示が可能に

　「最強の雑誌目次速報サイト」と銘打ったこの「雑誌ネット」、トップページにアクセスすると、そのデザインのカッコよさに感心させられます。シンプルで見やすく、それでいて情報がギュッと詰まっているところがスゴイですね。とりあえずページ上部にいろいろな雑誌の表紙が並んでいるので、どれかをクリックしてみましょう。

　画面が変わり、クリックした表紙がバーンと大写しになります。これなら表紙にどんな見出しや煽り文句が書かれているのかが一目瞭然ですよね。表紙を見て「面白そうだな～」と思ったら、ビューワーの横にある「NEXT」というタブをクリックしてみましょう。目次のページが表示されます。ここでどんな記事があるのかを確認できるわけです。

　ただし、目次のページともなると文字がゴチャゴチャ並んでいて、そのままでは読みにくい場合もあります。そんなときは会員登録をした上でログインし、再度アクセスしてみましょう。画像表示のプラグイン「Djvu」のインストールの後に、詳細画面が表示されます。先ほどの簡易画面とは少し違って、ビューワーの上の方に拡大・縮小ボタンや解像度の選択ボタンなど、いろいろなツールが並んでますよね。これらの機能を使えば、目次にぎっしり並んだ細かい文字もきちんと見られるようになります。

　会員登録は無料で行なえるので、とりあえず登録しておいて損はないですよ。登録するとサイトの最新情報が書かれたメルマガも受け取れるようになるので、各誌の最新情報をいち早くキャッチしたい人にはオススメです。

詳細画面

■ フリーワードによる見出し検索

　このサイトで扱っている雑誌は「週刊ポスト」や「週刊現代」などの週刊誌に加えて、経済誌「週刊ダイヤモンド」やファッション誌「Ray」、男性誌の「Gentry」「LEON」「GQ」など実にさまざまです。中には「日経キャラクターズ」なんていうマニアックな雑誌もありますよ。雑誌のラインナップを一通り見たい場合は、上部メニューの中から「マガジンラック」をクリックしましょう。トップページに並んでいる雑誌の他にも、多くの雑誌をカバーしていることがわかるでしょう。

　マガジンラックのコーナーを見ると、各雑誌の表紙の上には、発売されたばかりの雑誌を示す「NEW」というアイコンの他に、「中吊り」「READ」というアイコンが付いていることがあります。「中吊り」というアイコンをクリックすると、この雑誌の中吊り広告がそのまま閲覧できます。通勤中に電車の中で中吊り広告を見るのを楽しみにしてる人は多いと思います。

　このサイトを見れば、家にいながらいろいろな雑誌の中吊り広告を見られるわけですね。これらの目次の中で注目すべき記事が、トップページ上部メニューの「今週の話題」というコーナーにまとめられているので、いちいち各雑誌を見て回るのが面倒くさい人はこちらを利用しましょう。

　また、フリーワードによる検索も可能なので、読みたい記事のテーマが決まっている人は、ページ上部にある検索窓にキーワードを入れて、見出し検索をしてみましょう。ジャンル指定や検索期間も指定できるので、うまく使えば探している記事がすぐに見つかりますよ。さらに、指定した雑誌の目次を発売日メール配信してくれる「発売コール」というサービスもあるので、最新号をいちはやくチェックしたい場合は活用してみましょう。


マガジンラック	中吊り

今週の話題

■ 未知の作品と出会えるヨロコビ

　一方、「READ」というアイコンは「立ち読み」という意味で、このアイコンが付いている雑誌の場合、記事の中身を一部読めるようになっています。まるで本屋でパラパラっと読むような感覚で楽しめるこの仕掛け、ヒジョーに楽しいですよ。

　アタシの場合、マンガ雑誌の「週刊コミックバンチ」で、あの元オリックス監督の石毛宏典が野球の独立リーグ「四国アイランドリーグ」を立ち上げる話を描いたマンガ「根心」という話が一部読めたのには感動しました。個人的にこの独立リーグをものすごく応援してるので、今回の「立ち読み」がきっかけで本屋にこの雑誌を買いに行ってしまいましたよ。こういう未知の作品と出会えるのが、「立ち読み」の醍醐味ですね。アナタも「中吊り」や「立ち読み」アイコンをクリックすることで、もしかしたらすばらしい作品と出会えるかもしれませんよ！

立ち読み

■ フリーペーパーや批評も読める

　また、このサイトは商業誌だけではなく、フリーペーパーも扱っています。上部メニューに「フリーペーパー」という項目があるので、ここをクリックしてみると、いろいろなフリーペーパーがズラリと表示されますよ。「盛岡わいわいてつなぎマップ」「土佐のいい物おいしい物」といった各地の観光パンフレットや「周南ハイテクリポート」のような商業レポート、「秩父地域地場産業振興センター」のような施設の案内書など、自治体が発行している冊子が多いです。本当は個人が趣味で発行しているようなレアなフリーペーパーがあるともっと楽しいと思うんですが、これからに期待したいですね。

　あと、忘れてはならないのが「私のおすすめ」というコーナーです。ここでは各界の識者による雑誌批評が読めるんですが、どれも読み応えのある記事ばかりですよ。登場する批評家も、テレビ局のアナウンサーや料理研究家、探偵社社長、雑誌編集長、ライター、金融機関社長などバラエティに富んでいます。あの有名な花田紀凱編集長による週刊誌批評も載っているというからスゴイ！　さまざまな業界で活躍している人たちのスルドイ意見の数々を読めば、ビジネスや趣味に役立つ情報が得られるかもしれませんぞ。

　というわけでこの「雑誌ネット」、コンテンツがてんこもりで、雑誌好きな人にはタマラン内容です。この手のサイトが今後どんどん進化していけば、いずれはコンビニで立ち読みする必要もなくなるかもしれませんな。では、また！

私のおすすめ

■ ＵＲＬ
　雑誌ネット
　 http://www.zassi.net

2005/06/13 11:02

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌（ヒミツ）をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる！

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