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クライアント機器編
第4回:1台で複数の利用ができる無線LAN製品


 無線LAN製品の中には、1台で無線LANルータとアクセスポイント、コンバータといった複数の役割をこなせる製品があります。小型の製品も少なくなく、移動先での利用を想定した製品も登場しています。


ルータやアクセスポイント、コンバータと1台3役の無線LAN製品

 厳密にはクライアント製品に数えられないかもしれませんが、無線LAN製品の中には「1台で何でもできる」製品があります。一例を挙げると、プラネックスコミュニケーションズの「無線LANポケットルータ(記事URL)」や、ASUSTeKの「WL-330gE(記事URL)」などがあります。これら製品では、概ね以下のようなモードで利用することが可能です。

1:ルータモード
 1本のインターネット回線を、複数の有線LAN製品や無線LAN製品で共用できるようにする(図1)
2:アクセスポイントモード
 すでにある有線LANルータなどに接続して、無線LANアクセスポイントとして利用する(図2)
3:ブリッジモード
 無線LAN環境がある場合で、無線LANに非対応のデジタル家電やゲーム機などを無線LAN化する(図3、4)


図1:ルータモード 図2:アクセスポイントモード

図3:ブリッジモード 図4:ブリッジモードの利用例

 以前は少し大きめの製品が多かったようですが、上記で紹介した製品などのようの最近では非常にコンパクトなタイプが増えてきています。サイズがコンパクトになることで、「持ち運びに便利だから、トラベルルータとしても利用できるようにしよう」という方向性も出てきたのか、プラネックスやASUSTeKの製品でも旅行先のホテルなどでの利用シーンも念頭におかれているようです。

 また、少し毛色は違いますが、複数機能を持った製品としてパナソニック コミュケーションズの「Skype対応Wi-Fiフォンセット(記事URL)」があります。製品名称からわかる通り、Skype対応の無線LANハンドセットと無線LANルータをセットにした製品です。

 この無線LANルータ部は、背面にモード切り替えスイッチを装備しており、自宅や外出先の環境に応じてルータモードをオフにして、アクセスポイントとして利用できるようにするなど、2役の使い方が可能です。また、最近の無線LANルータ製品にはルータ機能をオフにできる物理スイッチをもった製品もあります。

 こうした製品は万人向けの製品というわけではありませんが、持っていると1台でいろいろな用途に利用できて重宝できます。ただし、IEEE 802.11nといった最新の機能を搭載しているわけではないので、この点は割り切りが必要でしょう。


関連情報

URL
  クライアント機器編 索引ページ
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/koko_osa/22170.html

2008/06/30 10:58

槻ノ木 隆
 国内某メーカーのネットワーク関係「エンジニア」から「元エンジニア」に限りなく近いところに流れてきてしまった。ここ2年ほどは、企画とか教育、営業に近いことばかりやっており、まもなく肩書きは「退役エンジニア」になると思われる。
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