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ネットワーク対応プリンタ&複合機編
第2回:プリントサーバー


 当然のことですが、すべてのプリンタや複合機がネットワーク機能を持っているわけではありません。こうした非対応機器を、ネットワーク対応にさせたい場合に使用するのがプリントサーバーになります。


非対応製品をネットワーク対応させるプリントサーバー

 プリントサーバーに関しては、NAS編で取り上げたこともあるので、覚えている方もおられるかもしれません(記事URL)。簡単に説明すると、図1のように1台のPCをプリントサーバーと利用した場合や、1台のPCでのみ利用していたプリンタを、PCを介さないでネットワーク上で利用できるようにするものになります(図2)。

 プリンタを介して利用するのであれば、「(図1のように)PCを動作させていれば同じなのでは?」と言われるとその通りなのですが、プリントサーバーとの消費電力を比較した場合、PCの消費電力は100W超も珍しくなく、電気代を考慮すれば後者を選択する方がコスト面でも優位でしょう。また、設置スペースや設定方法の簡便さなどの利点も考えられます。


図1:PCをプリントサーバーとして利用 図2:プリントサーバーの利用イメージ

 また、プリントサーバー自体にはさまざまな製品があります。家庭用製品の場合は、1台のプリンタを接続できるタイプが主流ですが、オフィスなど業務用とでは複数台の接続が可能な製品も存在します(図3)。

 また、「プリンタがUSB接続ならば、USBハブを利用すれば複数のプリンタが利用できるのでは?」(図4)と考えられるかもしれませんが、対応している製品は非常に少ないです。理由はプリントサーバーがUSBハブを認識しないなどが理由で、仮に使用できる場合でも制限があります。


図3:複数台の接続に対応した製品も 図4:USBハブを介した接続

 プリントサーバーは、その名の通り、基本的にはプリンタ機能のみをサポートしています。しかし、なかには複合機に対応した製品もあり、紙切れなどの印字トラブル時にブザー音で通知できる製品なども登場しています。なお、LANとの接続は有線LANが主流ですが、無線LAN対応モデルも存在しています。また、有線LANモデルの中には、スイッチングハブ機能を内蔵したタイプもあります。

 価格に関しては、一般論として「機能が多いほど高い」ことになります。有線タイプが概ね1万未満、無線LAN対応対応が1万~2万円の範囲、と考えておけば良いでしょう。なお、プリントサーバー製品で重要になるのは「双方向通信が可能か」という点です。これに関しては、次回で説明したいと思います。


関連情報

URL
  ネットワーク対応プリンタ&複合機編 索引ページ
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/koko_osa/22819.html

2008/08/18 11:01

槻ノ木 隆
 国内某メーカーのネットワーク関係「エンジニア」から「元エンジニア」に限りなく近いところに流れてきてしまった。ここ2年ほどは、企画とか教育、営業に近いことばかりやっており、まもなく肩書きは「退役エンジニア」になると思われる。
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