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連載100回記念!! ヨカッタで振り返るブロードバンドの動向


 パンパカパーン! いや~めでたい! とうとうこの連載も100回目ですよ。思い起こせばこの2年間、アタシもよくもまあ飽きもせずヨタ話を連発し続けました。ここまで続けられたのも、読者のみなさんやインプレスの編集スタッフの方々、そして面白いブロードバンド・コンテンツを世に送り出してくれた数多くのサイト運営者やクリエイターさんたちのおかげです。

 なんせこの2年間というのは、ブロードバンド業界にとっても激動の時代。連載が始まった頃はまだ常時接続を導入している人も少数派で、ADSLもブレイク前だったし、光ファイバもほとんど知られていない頃でしたからねぇ。当時からアタシはCATVインターネットを利用していて、ダイアルアップを利用している友だちに「これからは絶対、常時接続だ! オマエも導入しろ!」なんて説いて回ってました。

 それが今じゃ、街を歩けばプロバイダーがスターターパックを掲げてキャンペーンをやってるし、ブロードバンドを導入するのもごく当たり前の行為になってしまいました。たった2年間ですけど隔世の感がありますなー。

 さらにインフラが整うにつれて、ブロードバンドコンテンツも爆発的に増えていきましたよね。おかげでアタシも毎週、ネタに事欠かなくて実にエキサイティングな日々を過ごしてきたわけですが、この状態は今も変わりないです。次から次へと魅力的なコンテンツが現れて、それでまたユーザーが増えていく。このような状態は今後ますます加速していくんじゃないでしょうか。


第1回のネタはなんと「野球」

第1回で取り上げた「Yahoo!スポーツ プロ野球」
 今回は100回記念ということで、これまでアタシが書いてきたヨタ話を振り返りながら、ここ2年間のブロードバンドの状況の推移をチト見つめ直してみましょう。歴史のまっただ中にいる人間ってのは、「自分が激動の時代を生きているんだ」ということにはあまり気付かないもんです。少し冷静になってここ最近の出来事を整理してみることによって、ひょっとしたら明日を生き抜く知恵が思い浮かぶかもしれませんよ!?

 まずは、この連載の記念すべき第1回のテーマを見てみましょう。なんと「野球」です。単にアタシが野球好きというだけで選んだわけじゃないですよ。取り上げたのは「Yahoo!スポーツ プロ野球」とかでやっているプロ野球のリアルタイムデータ中継なんですが、これは最初に見たとき、かなり驚きましたねー。

 というのは、「これからはブロードバンドだ!!」という風潮で盛り上がっていた2年前、ブロードバンド・コンテンツと言うと圧倒的に動画配信のサイトが多かったわけです。そんな中、地味にデータを配信しているプロ野球のリアルタイム中継サイトが、なんだかアタシにはキラキラと輝いて見えたんですね。

 なんせプロ野球をやっている時間帯ってのはテレホーダイが適用される深夜じゃなくて、まさにゴールデンタイムなわけです。そんな時間に毎日ダイアルアップなんかでつないだら、いくらお金があっても足りませんよ。つまり、このリアルタイム中継を楽しむには常時接続が必須なわけで、これも立派なブロードバンド・コンテンツの1つだと思ったんですね。

 要するにブロードバンドってのは単にパソコンがテレビの代わりになるだけじゃなく、こういう新しいサービスを生み出すきっかけになるんじゃないかとワクワクしてしまったわけです。この期待感は、インターネットそのものが普及し始めた頃のドキドキ感に似たものがありましたね。



URL
  Yahoo!スポーツ プロ野球
  http://sports.yahoo.co.jp/baseball/




ブロードバンドの可能性は無限大!?

 そんなわけで、これまでアタシはブロードバンドコンテンツというものをいささか広義に捉えて、動画や音楽のストリーミング・コンテンツ以外のサイトやサービスも紹介してきました。たとえば、「オンライン辞書サイト」(2002年9月30日10月28日)や「経路検索サイト」(2003年4月7日4月21日)、「地図サイト」(2003年1月20日1月27日)、「文例サイト」(2003年6月2日6月9日)、「オンライン・スケジューラ」(2003年8月11日2003年9月1日)のサイトなどがありますね。

 いずれも常時接続だからこそ、利用のしがいがあるものばかりです。ダイアルアップ利用ならアプリケーションを買ってきた方がコストも手間もかかりませんからね。逆に言うと、ブロードバンドが普及したおかげでこれらのサービスが有効活用できる時代になったわけで、この不景気の時代にはありがたいことですな。

 事実、ここ最近アタシは乗り換え案内ソフトや地図ソフトを買っていません。これらのソフトは新しい情報が命ですが、何年かおきにいちいち買い換えていたら結構お財布にも厳しいわけで、この手のものは自然とWebサービスだけで済ませてしまうようになってしまいました。

 それではスケジューラのような陳腐化しないアプリケーションなら購入した方が良いかというと、そうとも言い切れません。スケジューラをインターネット上で管理すればどこからでもアクセスできるようになるし、複数の人で情報も共有できます。ネットワーク上で提供することで、新たな使い方ができるようになったんですから、こりゃー使わない手はありませんよね。

 最近はインターネット上にハードディスクを持てる「オンライン・ストレージ」サービスが増えていますけど、こういう状況を見ているといずれはアプリケーションもデータもすべてネットワーク上で管理する時代がやってくるかもしれません。ブロードバンドの可能性ってのは図り知れませんな、ホント。





やっぱりメインは動画・音声の配信

 とは言っても、やはりブロードバンド・コンテンツのメインは動画や音声の配信でしょう。元々アタシはテレビっ子なので、仕事部屋にテレビなんか置いたら絶対にテレビが気になって筆なんか進みません。だからテレビはリビングに置き、仕事中は見ないようにしていたんですが、最近は動画配信サービスがやたらと増えているのでそれも意味がなくなってきました。

 アタシのディスプレイは19インチとそこそこデカいので、動画を全画面表示で見るとけっこう迫力があるんですよ。「ショートフィルム」(2002年6月3日)の特集をしたときはハマったなあ。世界中の気鋭のクリエーターが作った珠玉の短編映画をタダで見られるってんだから、映画好きのアタシにはたまりません。

 ちなみにストリーミング動画・音声サイトをテーマにしたものは100回の内、45回もありました。半分近くの記事が動画・音声ってのは、やっぱりこのジャンルが一番盛り上がってるからでしょうね。連載当時に紹介したサイトの中にはすでになくなっているところもありますが、新たなストリーミング動画・音声配信サイトは次々と生まれています。

 あと、ライブカメラも忘れてはなりませんね。動画や音声などのインパクトあるコンテンツとは違って、ライブカメラってのは集中して見るもんじゃないですからね。何かをやりながら、「そういえば、ちょっとあの街の今を見てみようか」と何気なく見てホッと和む。そういう使い方ができるのも常時接続ならではの楽しみですな。





コンテンツの充実が新たなサービスを生む

 さて、このように動画や音声の配信サービスが増えてくると、今度は自分に必要なサービスをいかにすばやく見つけるかがポイントになってきます。そんなときに便利なのが「ブロードバンド検索サイト」(2003年2月3日3月3日)ですね。

 この記事を掲載したのが66回目で、それまでは動画や音声に特化した検索サービスってのはあまり見当たらなかったのが、ようやく出揃ってきたんですね。アタシも嬉しくて涙が出ましたよ。

 そうそう、このすぐ後に書いた記事は「スピードテスト・サイト」(2003年3月10日3月31日)でしたね。ブロードバンドが普及してくると、インターネット全体のトラフィックも増えてきます。やはり自分が使っているプロバイダーがどれくらいのパフォーマンスを持っているのか知りたいのが人情ですよね。この手のサイトは実に多くて、それだけみんなが気になっているんだなーと再認識しました。

 「セキュリティチェックサイト」(2003年9月29日)も最近ですね。連載当初はノホホンと動画や音声を楽しんでいただけのアタシも、さすがにこういうテーマを取り上げざるを得なくなってきたわけで、ビミョーに複雑な気分です。ただ、それだけブロードバンドユーザーもコンテンツも爆発的に増えてきているということで、これは喜ばしいことです。

 今後はどんなブロードバンド・コンテンツが登場するか、ホントに楽しみですね。というわけで、次回から再びアタシは頑張りますよ。そこのアナタ、「まだ続くのかよ!!」なんて言わないよーに。みなさんの役に立つ面白いコンテンツをどんどん紹介するべくガンガン行きたいと思いますので、これからも「ヨカッタ!」をヨロシク!!


2003/11/17 11:21

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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