■電話料金との格闘の末に得たもの
私がはじめてPCと電話回線を接続したのは……って話は歳がバレるからやめておきますが、とにかくパソコン通信って呼ばれてたアレが最初だったのは確かです。まだ10代の私は新しくて、目の前に広がった世界に夢中で、メールや掲示板やチャットにどっぷりハマちゃったわけですが、当然の結果としてNTTから毎月とても高い請求がやってきます。ところがパソ通(これ死語?)関係者には私の何倍も請求がきている人がいっぱいいたお陰で、毎月2万円を越える請求がきても「ま、こんなもんかな?」くらいにしか思ってませんでした。
そして歳月は流れて私の回線はISDNになり、インターネットが一般化してISPなるものが身近に現れた頃に「テレホーダイ」の時代が到来しました。思えば23時~翌朝8時までのテレホ時間に繋ぎっぱなしってのが“準”常時接続って雰囲気だったりするので、このころから「ずっとつないでいたい……」などと、初めて彼氏と手を繋いだ時みたいなことを考えるようになってましたね。実際、利用時間は圧倒的に夜に集中していたので、このころから電話料金が目に見えて減少していきました。それでもプロバイダ料金とは別に、電話料金だけで1万円くらいはかかってましたが。
結局、私にとっての常時接続の開始は「フレッツ・ISDN」って言えるかしれません。たまに接続が切れちゃってることもあったけど、基本的に24時間つなぎっぱなしになったことはかなり新鮮でした。そして私の電話料金はフレッツの利用料込みで8,000円程度になり、自分の過去を振り返って「あぁ、あのころはなんてNTTに貢いでいたのかしら……」などと遠い目で回想できるようになったわけです。
■待ちに待ったADSL!のはずだったのに……
人間は贅沢をすると、すっかりそれに慣れてしまう生き物なので、フレッツ・ISDNになってからというもの、私の回線へのこだわりは日に日に増していきました。そして2001年の春のこと、私の住んでる地域にもADSLサービスが開始されることになったと知ったときには、すっかり有頂天になって友人と朝までカラオケしちゃったくらいです(本当はADSLとカラオケは全然関係ないです。単に好きなだけです)。
さてADSLの申し込み開始日、NTT東日本のページからいち早く申し込もうとPCの前で深夜の0時頃からじぃ~っと座ってました。でもなかなかページが開けなくて、実際に完了したのは2時くらいだったかな。もちろんすぐに返事なんかあるわけないですから、ずっと工事日の案内を待っていたわけです。
ところがその数週間後、同じ建物に住んでる知人から「NTTからADSLの工事の案内来た?」って突然聞かれたの。よく話を聞いてみると、その知人は申し込み開始日の昼頃に「116」で申し込んで、すでに工事の予定が決まったらしい。開始日の夜中にがんばって申し込んだ自分にはメールすらきてないことが正直ショックだった。同じ建物に住んでて、数時間とはいえ、申し込んだのは私の方が先なのにそんなのってアリ? ってところでした(ちなみにそれから2週間以上たっても、NTTから私に連絡はありませんでした)。
■すごいぞ有線ブロードネットワークス(の営業)
突然の朗報がポストに届いたのは、フレッツ・ADSLショック(勝手に命名)を受けてから数日後のこと。なんと有線ブロードネットワークスのFTTHサービスの提供範囲に、私の家も含まれるってチラシが入っていたのです。さっそく電話してみると、なんと数時間後には営業さんから連絡が入る素早さ。「いまキャンペーン中ですので、これからご説明にあがります」とまで言ってくれました。ちと部屋が散らかっていたので、とりあえず駅前のマックで待ち合わせをしたところ、“USEN”のロゴ入りブルゾンを着た営業さんが私より先に来て、入り口のところで待っててくれたのです(ついでにこの営業さんにビッグマックおごってもらいました。ごちそうさまでした)。
そしてマックの2Fで営業さんはパンフレットを開いて、個人向けの「BROAD-GATE 01」のサービスの特徴を説明を始めました。商用のサービスを提供してはいけないこと、固定のIPアドレスを割り当ててもらえることなど、ひととおりの説明を聞いてから、「これならいいかな」と契約することにしました。っていうか、実は家を出るときから契約する気満々でいたので、「いま契約しますっ」と即答してたんですが。だって早く申し込んで早く開通してほしいじゃない? それにしても、マックで契約書にサインしている姿って、キャッチとかに引っかかったみたいな風情でかなりヤバイ雰囲気でした(笑)。
ただし有線ブロードネットワークスのFTTHを導入するにあたって、大きな難関がありました。それは、住んでる建物の大家を説得しなければならないという問題です。以前にもケーブルテレビで常時接続を計画したことがあったのですが、「建物に傷がつくから絶対にダメだ」という大家の強固な反対にあって、導入を断念したことがあったのです。有線ブロードの営業さんにその旨を伝えると、「わかりました。こちらで説得しますので管理している不動産だけ教えてください」と言ってくださいました。そしてどんな魔法を使ったのか、3日後にはあの頑固な大家さんが快く(?)導入を許可してくださったのです。おそるべし有線ブロードネットワークスの営業力!
■開通までは2カ月
すごい営業さんにもどうにもできないのが開通までの待ち時間。「だいたい1カ月~2カ月はお待ちいただくことになります」と最初にはっきり言われましたんで、これは素直に待つしかないなと言う気分にはなったかも。せめてNTTも「116で申し込んだ方が早くて確実です」とか「すごく混み合ってるので連絡もできません」とか最初に言ってくれれば気分も違ったのに……。ちなみに有線ブロードと契約した次の日に、NTTに電話でADSLの申し込みをキャンセルしました。
申し込みは2001年の3月初旬でしたが、実際に開通したのはゴールデンウィークが明けてからのこと。当初の約束の2カ月を少し越えていましたが、その頃にはウワサで2カ月は無理ってのが聞こえてたのんで「まぁそんなもんかな」くらいな気持ちで待ってました。
不思議なことに有線から工事の予定日の連絡が入った次の日に、NTTから「ADSLの工事が決まりました」と電話がかかってきたんですよね。すでに3月にキャンセルしてる旨を伝えると、キャンセルの連絡が来ていなかったとのこと。さらに「別の業者さんに申し込まれたんですか?」と聞かれたので「そうです」と答えると、「お客様の回線はすでにこちらのADSLを利用するように確保しているので、タイミングによっては別の業者さんのADSL工事がすぐにできないかもしれません」とのこと。「こちらはFTTHですからそれは心配ないと思いますが、早めに回線を解放してください」とだけ伝えて電話を切りました。
■うわぉ! 壁にハブだ
工事の連絡の電話では、工事日のほかに設備の設置方法に説明してくれました。どうやら同じ建物にサービスの提供を受ける人がいるので、建物の壁にハブを取り付けて、それぞれの室内にLANケーブルだけを引き込むということ。まぁ機材の設置場所を考えなくていいのでかえって便利かなとあっさり了承。
工事はものすごく淡々と終わりました。なにせ、ほとんど屋外作業なので、室内にLANケーブルを引き込むまではものすごく退屈なんですよね。実は前日が仕事でハマっていたので、熱い屋外で作業しているお兄さんをときどき覗きにはいくものの、ほとんど猫と一緒に寝てました(笑)。
屋外での工事が終わると、いよいよ室内にケーブルを引き込む作業。でもこれ、普通の電話の工事とほとんど手順は一緒。っていうか電話の引き込み口が1個空いてたので、そこに通してもらって、壁からにょろりんとケーブルを出すだけ。「ケーブル何メートルくらい出しておきます?」と聞かれたので、「3メートルくらいでお願いします」ってな会話のあとに、有線ブロードのひとが持参したノートPCで接続のテストして、通信ができていることを私が確認しておしまい。めっちゃあっさり終わってしまいました。
工事が終わってから改めて建物を外から眺めるとすごくて、建物に思いっきりビスを打ち込んで電信柱からケーブルがきてました。この状態を大家に許可させた有線ブロードネットワークの営業さん……、ほんとにスゴイです(笑)。
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汗だくで働くおにーさん。マンションの場合は、中よりも屋外工事のほうがたいへんそう
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寝る猫。深い意味はありません。私と一緒に寝てたというだけのことです。ごめんなさい
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電話の引き込み口からケーブルを引き込んだ。これがけっこう便利なんです
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電話線などの電柱を利用して引き込まれる有線のケーブル
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■結局ネットゲーなのね……
実際の使用感という意味では、いろいろ問題があったことは確かです。特に導入直後は不安定で、屋外に設置してある機材を何度か交換しました。どうやらあまり熱に強くなかったらしく、最初の夏を越えられなかったようです。それ以外にも頻繁にダウンしていましたが、最近ではそういうこともなくなりましたね。そういえば割り当ててもらったIPアドレスが5個もあるのですが、実際に利用しているのはじつは2個だけだったりします。
家で使ってるブロードバンドルータはパーソルの「PBR005」です。それに5ポートのハブつけて、ノートPCなんかは無線LANでなんとかしてます。こんな仕事してる割には使用に問題ないのんで1年以上更新してません。使ってるマシンはしょっちゅう変わるのに……。まぁそれだけ優秀なハブだってことで(笑)。
ところでこの原稿書きながら、私にとってのブロードバンドの主な用途はなんだろうって考えてました。確かにメールもWebもFTPもするんですけど、うちから流れるパケットの大部分はネットゲームなんですね。……、いいのかこれで(笑)。
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思いきり壁にビスが打ち込まれている。この状態を大家に許可させた有線ブロードネットワークの営業さんは凄腕!
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ちょっと古いブロードバンドルータ。仕事場全体の写真は自粛しておきます
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(2003/07/10)
■参考データ
居住地区 | 東京都世田谷区 |
接続事業者 | 有線ブロードネットワークス |
回線の種類 | FTTH |
プロバイダー | 有線ブロードネットワークス |
スループット | 30~70Mbpsくらい |
□有線ブロードネットワークス
http://www.usen.com/index.html
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