■フロッピー手渡しから通信へ
皆さん、こんにちは~。ライター兼カメラマンのカワダです。
ワタシがこの仕事を始めたのは1995年からなんですが、当時はパソコンこそ持っていたものの(PowerMac 7200/90でした)、通信するための知識がなく、書いた原稿はフロッピーにセーブして電車で編集部まで届けていました。今では考えられない「遅れた」スタイルですが、そのころは特別に不便だとは思いませんでした。
なぜなら、原稿には作例用の写真(多くの場合それはポジフィルム)が必要であり、テキストだけを通信で送っても、結局は写真を持参しなければならないからです。また、駆け出しのライターにとっては、編集部へ顔を出すことは自分の売り込みにもつながるわけですね。というわけで、某ヨドバシカメラで50枚入りのフロッピーを買い込み、いそいそと消費していたのでした。
そんな「フロッピー手渡し」スタイルは1年近く続いたでしょうか。おかげさまで仕事が忙しくなったこともあり、段々とフロッピー手渡しでは時間的に余裕が無くなってきました。もちろん、写真は手渡ししなくちゃいけないんですが、仕事によっては写真だけを先に渡して、あとでテキストを入れるというケースも増えてきたため、フロッピー手渡しではあまりにも作業効率がよくないわけです。
で、ついにメール送信を始めることにして、Nifty-Serve(現@nifty)へ申し込んだんですが、ここでひとつ問題がありました。当時仕事場にしていたのは自宅の自室だったんですけど、部屋にはホームテレホンの子機しかなく、当然ながらモデムをつなげるべきモジュラージャックもなかったのです。
接続するのは原稿を送るためだけだったので、それ用に電話線を引き直すのはちょっと……、というわけで、結局は原稿を書き上げるたびに階下の廊下にあるホームテレホン親機のモジュラーをいったん抜き、そこへ28.8kbpsのカードモデムを装着したPowerBook 5300をつないで送信し、終わったら電話に差し替えるという劇的に面倒で、なおかつドンくさいことをやってました。このときは確かJ-termというMac用の通信ソフトを使ってました。
■ISDNライトを申し込む
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光ファイバーのケーブルは雨樋の中を通って……
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原稿を書き上げるたびにPowerBook 5300を抱えて階下へ……というスタイルはしばらく続くのですが、何カ月かするとさすがに面倒くさくなって、自室にもう1本電話を引こうということになりました。で、電話権利料をケチるべく「ISDNライト」というのを申し込むと同時にTAを購入し、自室でもついに接続可能になりました。ISDNだとアナログモデムみたいに接続時に「ピーヒョロヒョロ、キーッ」といった音もなく、スーッと素早くつながるのが快感でした。このISDN時代はかなり長く、2001年まで続きます。
もちろん、世の中的にはすでにADSLが登場してブロードバンド時代を迎えるわけですが、個人的にはADSLにはついに縁がありませんでした。Yahoo!BBが登場したころに申し込みはしたのですが、申し込みしてから何カ月も音沙汰がないうえ、やっと連絡が来たら「NTTへ連絡してISDNからアナログ回線へ変更してくれ」とのこと。この手の手続きが非常に億劫なワタシは、面倒くさいのでADSLをキャンセルしました。まったくの屁理屈ですが「ISDNからアナログへ戻すのって退化じゃないの?」という気もしたのです。というわけで、ADSLをスキップし、一気にFTTHを狙うことにしました。
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エアコンのダクトから室内へ引き出しています
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光ファイバは直角に折れないので、屋内配線はこんな感じ。最初の工事は両面テープを使った金具で留める簡易的なものだったので、後でキレイにやり直しました
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■FTTHのはずがAirH"?
2001年の末頃になると、自宅の庭に仕事場を新しく作り、原稿書きなどはそちらで行なうようになりました。新しい仕事場にはFTTHを入れようと考えていたこともあり、電話を引きませんでした。しかし、仕事場ができたばかりの時は、まだFTTHの申し込みすらしていなかったため、当座の通信手段を至急確保する必要がありました。ちなみにISDNライトは自分の部屋に引いたまま。普通の電話として使っています。
そこで新しく導入したのが、定額制でつなぎ放題のAir H"です。スピードこそ32kbpsと遅いものの、テキストを送る程度ならまったく問題はありません。ただ、この頃になると、作例用の写真は徐々にポジからデジタル画像へと移行しつつあり、それを送信するためにはAir H"ではいかにせよ非力でした。
それでもしばらくはAirH"でスローライフ(意味が違うか……)を楽しんでいましたが、まわりはとっくにADSLが主流の時代になり、それに合わせてWebのコンテンツも重くなってきて、32kbpsでのブラウジングはさすがにつらいなぁと思うようになりました。で、いよいよ重い腰を上げてFTTHの申し込みを決意したのです。
調べてみると、私の住んでいるエリアは有線ブロードネットワークスの光ファイバサービスが利用可能なようなので、2002年の5月頃に申し込んでみました。その後、現状確認やらなんやらで実際に開通するまで随分待たされましたが、2002年の9月についにFTTHが開通したのでした。
何しろそれまでが32kbpsだったこともあり、FTTHの速度はまさに光速! という感じで、大いに満足したのです。また、ADSLとは違ってアップロードも速いため、デジカメの重い画像もサクサクと編集部へ送ることができるのは非常に大きなメリットでした。それまでは画像データを焼き込んだCD-Rを宅配便やバイク便を使って月に何度も送っていたのですが、これがすべて通信で送れるようになったことにより、経費的な負担も大いに軽減されたのです。
まだまだ帯域を活かせるコンテンツが少なく、割高ではないかと言われるFTTHですが、頻繁に大容量のデータをアップロードする人にとっては、むしろ割安といえるんじゃないでしょうか。
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メディアコンバーターはタイヤで有名なピレリ製!
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ルータは横型が素敵なPCIのBRL-04FBを選択しました
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メインのPCは自作のPentium4 2.26GHz。画像を扱うのでメモリは1GB積んでます。それでも組んでから1年経ちました
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こちらは原稿書き用のiBook/700。FTTHのおかげでインターネットラジオを聴きながら仕事ができるようになりました
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(2003/07/17)
■参考データ
居住地区 | 神奈川県横浜市 |
接続事業者 | 有線ブロードネットワークス |
回線の種類 | FTTH |
プロバイダー | 有線ブロードネットワークス |
スループット | 40~50Mbpsくらい |
□有線ブロードネットワークス
http://www.usen.com/index.html
囗AirH"(DDIポケット)
http://www.ddipocket.co.jp/
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