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第五十九景：電話をかけるとつながる回線の謎
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■マイホームページ開設のために
私が学生の頃、世間ではインターネットブームの幕開けともいうべき時代でした。私の場合は特に見たいページもなく、メールのやり取りやチャットにも興味がありませんでしたが、自分でホームページを持てるという点に関心を持ちました。個人が自宅にいながらにして、多くの人に情報発信ができることに無限の可能性を感じました。 そこで、まずはマイホームページの開設から。プロバイダーのホームページ容量は5MB程度というのが一般的でしたが、その中で50MBと圧倒的に容量が多かった「ASAHIネット」を選びました。 ホームページ開設当初はカタカタカタ……と鳴るアナログ回線を利用していましたが、色々と問題もありました。どこかのページに行ったときに、MS-DOSのコマンドプロンプトが起動して自動的に接続先電話番号を変えられてしまい、40分で7,200円の請求が来てしまうということがありました。また、テレホーダイに加入していましたが、テレホーダイ開始時刻の23時に毎日決まって父親から電話がかかり、電話が通じなくなるので（もしくはネットがつながらなくなってしまい）、よく文句を言われたものです。当時はテレホーダイユーザーが23時になると一斉に接続するため、回線が混んで午前2時ごろまでつながらないこともありました。 やがて就職し、勤め先で専用回線と光ファイバの速さを体験。その速さにびっくり。そんな環境の中、FlashとDreamweaverに出会いました。でも家でFlashを使用すると、Web上で観覧することも、FTPで転送することも遅く、家のダイヤルアップ回線では物足りなくなってきました。 そして日本でも開始が遅れていたADSLがいよいよ始まることになりましたが、自宅が田舎のために、なかなかこちらまで来ませんでした。NTTのホームページで自宅の電話番号を入力し、開通予定日を調べたりして待ち遠しい日々を送っていたところ、新聞の折込広告に待ちに待ったNTTからのADSLの広告が!! 当日すぐに申し込みました。 ■トラブルは突然やってくる 世間ではあまりADSLが知られていなかったためか、工事の予約がすぐにとれました。ルータを購入し、設置や配線などは全部自分で実行。自宅でネットワークを組み、その速さと楽しさに感動したものでした。 しかしトラブルはいきなりやってきました。契約してから1カ月後の2001年9月の連休中、LINE LINKが点灯し、3日間使用できなくなるはめに。最初はNTTかプロバイダの回線工事かな？ と思っていましたが違いました。NTTに電話で問い合わせたら「アース線を引いてください」とのアドバイスを受け実行したところ、すぐに直りました。 それから1週間後の週末2日間、また接続できなくなる事態に。NTTに問い合わせたところ、すぐに対応してくれました。しかし調査してもらっても回線にはまったく問題がなく、新しいモデムに交換してもらっても直りません（フレッツADSLのレンタル品なので無料交換）。そこでモデムの上に置いていたルータを外して直結してみたら、あっさり接続。ルータが原因であることがわかりました。 その後快調に利用していましたが、翌年のゴールデンウィークにまたLINE LINKが点灯。前回のトラブルの時「今度繋がらなかったらテストツールで確認してください」とNTTの方から言われていたので、フレッツのテストツールをインストールしようとしたところ、「このWindowsのバージョンでは使用できません、最新版をダウンロードしてください」とのメッセージが表示されました。ネットに繋がらないからテストツールをインストールしたいのに、どうやってダウンロードすればいいんだ……？ 手も足も出ず、当然次の日になっても直りませんでした。 悩んでいたところ、ふと思い立って電話の受話器を取ってみると「ガリガリ、バリバリ」とすごい音が……。電話も雑音が酷く使えない状態だったのが、NTTに問い合わせた瞬間、なぜか直りました。このとき、妙な法則があることに気づきました。電話がかかってくるとネットにつながらないというトラブルの方が一般的には多いのではないかと思うのですが、私の場合はまったくの逆で、電話をかけるとつながるのです。結局、トラブルはゴールデンウィークの終了と共に治まりました。 ■なぜか回線が2つある謎 そして迎えた夏のある日、雷が地響きのように鳴り響き、柏・流山・野田市の広範囲の地域でADSLモデムとスプリッターがやられました。NTTに修理の依頼が殺到したようで、千葉県には修理窓口が1つしかないため、電話がまったく通じませんでした。かかっても予約がいっぱいで、修理に来てもらえるのにかなりの日数を要しました。修理の依頼も立て込んでいるでしょうから、修理に来てもらった時もかなりせわしなく、状況もほとんど見ないでモデムだけ交換して、すぐに次の場所へ向かって行ってしまいました。 交換してもらったものの、LINE LINKが点灯したままネットにはつながらず。この時点ですでに1週間も接続できない状態が続いていたため、こんなんじゃフレッツ代を使えなかった日数分返してくれよ、と思ったり。ところが、いろいろといじっていたら、ある日突然、勝手に直ってしまいました。 電話がかかってくるとADSLが電話のノイズを拾ってしまい、落ちたり安定しなくなるというのはよくある話ですが、うちはまったくの逆でした。 最初は気が付かなかったのですが、モデムのLINE LINKが点滅してしまい（繋がっていない状態）、1日使えなかったので「またか」と思い、NTTに問い合わせ。受付の女性の方が、「あれ、電話にノイズが入ってませんか？」と聞いてきました。確かに「バリバリバリ」とすごい音が鳴っています。 しばらく係りの方と話しているとノイズが消え、同時にモデムも点灯状態（正常）に戻っていました。「直りましたので、大丈夫です」と電話を切ったのですが、ネットに繋げると1時間程度で落ちてしまい、またLINE LINKが点滅しています。受話器を上げ耳を近づけると「バリバリバリ」とすごいノイズが聞こえます。しばらく聞いていて「ツーツーツー」と鳴る頃になるとモデムが点灯し正常状態に戻っています。 受話器を上げておくと、ネットに繋がることに気が付きました。次の日NTTに問い合わせても、「そんなことは聞いたことがない、あり得ない」といわれてしまったので、落ちたらしばらく電話機を上げたままにしておくというアナログ的な使い方をしていました。 さすがに我慢できなくなって、4カ月ほどしてから再度問い合わせたところ、プロパンガスやスカパーなどを使っている場合、回線上に他の通信機が存在することになって、そのようなことが起こる場合があるとのこと。 NTT担当者の話によれば、たとえば、プロパンガスの使用量を通信機でプロパンガスの会社に自動で送り、残量が少なくなると交換に来るというシステムを使っている場合などがそれに当たるという。電話を使っていない時に通信をするので、受話器を置くとプロパンガスの通信機が動き、ADSLモデムが使えなくなり、受話器を上げると通信機がストップし、ADSLモデムが使えるようになるとのこと。 NTTが回線を調査してもらうと、NTTから自宅までに通信機が2つ検出されました。「1つはADSLモデムなので、あと1つはプロパンガスやスカパーなどでは？」という。スカパーは契約していないことを伝えると、「プロパンガスの会社に問い合わせてください。理由を説明すれば調べてもらえますから」とのこと。さっそくガス会社に電話してみたところ、「そちらには設置してません」という返答でした。それをNTTに報告すると、さきほどとは違う人が出て、もう一度回線をチェックしてくれました。 「2つ検出された通信機の1つはNTT側の通信機ですね。普通は通信機分だけ回線を引かなければいけないのに、係りの者が引き忘れたようです」という返事。しかしその通信機らしきものが何なのかは結局NTTもわからず、お手上げ状態。これについては原因不明のままです。 しかしそうこうしているうち、常磐新線（つくばエクスプレス）の開通工事で周辺をたくさん掘り起こし、回線工事などいろいろな工事が行われたせいか、ADSLのスピードは上がり、回線も安定して、落ちることはなくなりました。 【スピードテストサイトでの計測結果】
雷でやられてから、ノイズフィルターと雷ガード付のスプリッタ、電磁波に強いというLANコードを購入。スピードが多少上がり安定しました。そして「corega BAR SW-4P ブロードバンドアクセスルーター」のファームウェアをVer1.12 から Ver1.21にアップグレード。FTPなどで長時間データの送受信をしていると途中で強制切断される問題が修正されました。 ここ1年はトラブルはありません。同夏1.5Mbpsから8Mbpsにしようとしましたが、NTTの担当者に「距離的に速度が変わらない、下手をすれば落ちる場合もある」と言われてしまったので断念しました。Bフレッツが安くなるまで待とうと思います。
■参考データ
□フレッツ公式ホームページ（NTT東日本） |
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| Broadband Watch ホームページ |
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