■私のPC暦
NECのPC8001を中学生の時から使い出してはや20ウン年。20年前はCD-ROMなど存在せず、ましてやパソコンで動画を見るなんて想像もつきませんでした。その当時の記録メディアといえば、1枚3,000円くらいした、今はなき5インチフロッピーディスク。その後PC-9801が世に出て、BASICで円が描けるコマンドがあって驚いたのを覚えております。電子工作やテクノポップに明け暮れた10代でした。
20歳を過ぎてからNIFTYのチャットに興じるも、毎月送られてくるNTTからのラブレター(請求書)が恐ろしかったです(笑)。またチャット中は電話ができないので彼女によく怒られました。同時期にアマチュア無線機を用いたパケット通信にもはまりました。アマチュア無線機にTNCという一種のモデムをつないでPC-9801にシリアル接続し、見知らぬ相手と電波を通じてチャットしておりました。通信速度は1200bpsととてつもなく遅かったのですが、当時のチャットは風情がありました。
■ダイヤルアップ接続からISDN導入へ
|
デスクトップPCはソニーVAIO。それにIBMのキーボード(疲れ知らず!)をつないで使っています。ノートPCはIBM Thinkpad X20。軽いので重宝! 写真右端にある金色の物体はドイツ・バリゴ社の気圧計(温度・湿度計付)です
|
PC-9801シリーズからDOS/V機へ乗り換えた1994年に、ダイヤルアップ接続でインターネットを開始。プロバイダーも現在に比べてまだまだ少なく、利用料も1カ月で5,000円位(電話代別)かかりました。そのころは仕事の資料集めなどで日本国内のサイトよりも海外のサイトをよく見てましたが、全ページ表示までに数分かかり、悶々とした日々を送っておりました。
そんな折、某通信企業に勤める友人から「ISDNっていうものがあるぜぃ」とアドバイスを受けました。しかし私の周りの友人にISDNについて聞いても、「ISDNって何?」「ISDNという言葉は知っているけど、何かは説明できない」という反応ばかりでした。仕方なくNTTからパンフレットを取り寄せて精読してみたものの、2つのBチャネルがどうこうとか、ちんぷんかんぷん。でも当時のモデム(14.4kbps)と比較しても64kbpsなので、早くなるだろうと後先を考えずに、ISDNの申込書に判を押しました。当時はTA(ターミナルアダプタ)が確か5万円以上もしましたが、エイヤッ!と購入。接続はUSBなんてない時代なのでシリアル(RS-232C)接続でした。しかし当時加入していたプロバイダーがISDN非対応だったため、泣く泣く他のプロバイダーと契約。通信料金は従量制だったのでセコセコ使用していました。
ISDNが普及したころ、やっとIP接続サービスなるものが登場し、月々3,000円で使い放題! これで少しは徹夜が減りました(笑)。ブロードバンド時代の夜明けと言ったら大げさですが、常時接続が安価に可能になりました。ちなみにこのサービスは途中でフレッツ・ISDNに名称を変え、現在にいたっております。
■ADSL導入!
月日は流れ、ADSLの噂が聞こえてきました。しかし、ADSLは開通するまで実効速度がわからない、速度が出なければISDNに戻すのも面倒、電話回線をデジタルからアナログに戻し、ADSL開通まで当時は1カ月以上かかっていた……などなどADSLに関する噂を耳にして、面倒くさがり屋の私はADSL導入になかなか踏み切れませんでした。
そんな私がADSLを導入しようとしたきっかけは、2000年9月に大々的にキャンペーンを張った、傘をひっくりかえしたようなマークを使っていたYahoo! BBです。もの珍しさもあり、後先考えずに申し込みましたが、数カ月待っても開通しませんでした。同時期に申し込みをした東京都世田谷区在住の友人(局舎からの距離500m)は10月に開通し、速度も最高速度が出ているとの報告を受けイライラがつのり、結局キャンセルしてサービスを選び直すことになりました。
当時の私の選択肢は、Yahoo! BB、大阪めたりっく通信、イー・アクセスの3つでしたが、プロバイダーがイー・アクセスのみ対応の地域(大阪府吹田市)だったので、仕方なくイー・アクセスを選択しました。NTTの回線適合検査がOKとなり、今度は無事ADSLが開通。最初はパソコンが速くなったの? と勘違いしてしまうほど感動しました。
といっても、1.5M回線ながら実際には400~800kbpsしか速度が出ません。安定には程遠く、重いファイルをダウンロード中に接続が切れてしまうことが頻繁にありました。さらにネット接続中に電話がかかってくると切断してしまうことも。これには困ってイー・アクセスに電話し、調査ならびに回線の安定化の調整を数回してもらいました。
当時の自宅周囲の環境は、一般的にADSL速度低下の原因になる要素がてんこ盛り状態(NTT局舎から直線距離で2kmちょっとだが、自宅の周りをJR線・阪急線・都市高速が囲み、おまけに1995年築のマンション(保安器がいわくつきの95年製)でした。自宅までの回線が安定していなければ、宅内でノイズ対策をしても無駄なことを身をもって体験した次第です。詳細は私のホームページをご覧ください。
■最近の公団住宅ってADSLには穴場的存在?
2002年、大阪から名古屋市に引越しました。ADSLの移転は引っ越しから12日ほどして無事終了。引っ越しの荷物が片付かない部屋でテキトーに配線し接続すると、なんと、下り最大速度1535kbps! なんじゃこりゃ? の世界でした。あまりに速い。大阪での苦労はいったい何だったの? 早速、原因を考えてみました。
旧宅でのADSLが遅かった理由は、自宅内部の要因より、外的要因のほうが大きいと自分なりに結論付けました(このあたりの詳細も私のHPに記載しております)。新居が速い理由として考えれらるものは、NTT局舎からの直線距離が1㎞以内、1997年築の公団住宅だったことです。
なぜ公団住宅が要因なのか。その理由は電話回線の構造にあります。最近の公団住宅にはインターホン兼用の電話機があらかじめ設置されており、ISDNやADSL回線を引きたい人は別途公団に「模様替え願い」なる書類を提出しなければなりません。書類が受理されると、公団指定の分離器(費用は分離器本体と工事費合わせて税別8,000円)なるものの設置が必要になります。その分離器を設置することで、インターホン兼用の電話機から電話回線を切り離すことができるのです。これをしないとISDN・ADSLともに動作しないとの説明でした。しかし分離器の仕様は私が引っ越す直前に決まったらしいです。よって私の住んでいた公団住宅ではADSLの敵、ISDN回線が1本もなかったと推測されます。
また名古屋でいちばん家賃の高い公団住宅だったので、住人もお年を召された方が多く、インターネットとは無縁な世帯が多かったかもしれません(失礼)。近所の人に聞くと、仕方がないのでスターキャット(CATV)のインターネットにしているとも。しかし引っ越しが多い私は、初期費用がかさむCATVは好きではなかったので、そのままADSLを続けることにしました。
■またもや引越し。IP電話導入
|
VoIP付ADSLモデム(富士通FLASHWAVE 2040 V1)とHUB。電話台の側面に取り付けています
|
名古屋でいちばん家賃の高い&夜景のきれいな公団住宅での生活も1年ちょっとで終止符が打たれました。今度はお江戸に引っ越しです。引っ越しを機会にADSLを1.5Mから12Mに移行し、IP電話も導入することにしました。1.5Mモデムは買い取り(約2万円)だったため躊躇しましたが、1.5MではIP電話にはきつい! とのプロバイダーのお姉さんからのアドバイスもあり、結局お姉さんに薦められるがままに、アッカのADSL12MプラスIP電話を申し込みました。
築20年の分譲マンションなのですが、あとで有線ブロードネットワークスのVDSLがマンションに導入されていることを知りました。マンションから局舎までは光ファイバ、各戸まではマンション内部の電話回線を利用するとのことです。
余談ですがIP電話には「050」で始まるIP電話専用番号が付与されます。が、IP電話からの我が家への着信は今まで一度もありません(笑)。自宅(IP電話)→固定電話へは、ノイズが若干ありますが問題はないです。ただし、相手が非通知着信拒否にしていると、現時点ではIP電話からはかけられないのがこまりものです。
回線は3週間で開通しましたが、今回は私が開通までの10日間入院してしまったので、開通までの苛立ちはありませんでした。入院中はノートPCで入院日記を書いていました。NTTドコモのPHS@FreeDを導入し、快適なモバイル入院生活を送りました。入院中、ヤフーオークションに出品・落札をしたり、Amazon.comで本を購入して入院先に配達してもらったり、本当にインターネットって便利だと思いました。これからの高齢化社会の中で、思うように外出できないお年寄りこそインターネット&ブロードバンドの恩恵が必要だと思います。
|
|
ADSL回線状態一覧。リンク速度が出ています
|
ADSLキャリアチャート。ADSL周波数帯域とノイズ周波数が見れます
|
|
@FreeDモデム(ドコモP-in FREE 1S)PHS64kならびにケーブルで携帯電話に接続しDOPAが可能
|
(2003/10/16)
■参考データ
居住地区 | 東京都大田区 |
回線の種類 | ADSL 12M |
接続事業者 | アッカ・ネットワークス |
線路距離長 | 約2.7㎞ |
伝送損失 | 26dB |
プロバイダー | Panasonic hi-ho |
スループット | 下り約2.3Mbps |
□ACCAネットワークス
http://www.acca.ne.jp/
□Panasonic hi-ho
http://home.hi-ho.ne.jp/
□NTTドコモ@FreeD
http://www.at-freed.com/fla.html
|