ブロードバンド百景の第六十一景で30MbpsのCATV接続サービスを契約したことを書いたのだが、契約(というか予約)したものの、CATV業者から連絡がなく、そうこうしているうちにADSLでも24Mbpsとか26Mbpsサービスが開始された。ライターという仕事をしていると、いろいろな面でメジャーなもの、現在定番となっているものを選んでおかないといけない……ということがある。そう、ブロードバンドにおいてもADSLは定番、したがってADSLについて書いたりすることも出てくるのである。
言い訳はここまでとして、とにかく26Mbpsは魅力的って感じ。ということですぐに26Mbpsのサービスに申し込んだ。もちろんIP電話を利用してみたかったから、という理由もある。
■現在利用しているISDNは残して新規に回線を契約
ワシの家というかマンションは、セキュリティシステムが組まれていて、窓ガラスが割れたり、誰かが侵入したりするとセコムが飛んでくるようになっている。しかも外から電話を利用してエアコンの電源を入れたり、お風呂のスイッチを入れたり、といったことができる集中システムにもなっている。壁にそのシステムが埋め込まれていて、電話もそこについている。問題はその電話機がアナログ回線対応ってこと。
このマンションに引っ越してくる前からISDNを利用していたワシにとって、アナログ回線ではだめなのであった。したがって、引っ越し時、新たにISDNのための配線を引いてもらい、ISDNを利用していた。そう、集中システムはドアホンとしてのみ利用していて、その他の機能は一切利用していなかったのである。セコムも飛んでこないのだ。だって盗まれるもんとかないもんね。
ADSLはご存じの通り、アナログ回線を利用するサービスだ。ワシの家の壁の中には利用していないアナログ回線がある。それを利用することでADSLもカンタンに開通可能と思ったのである。そのアナログ回線を開通するためにNTTが工事に来た。申し込んで3日後に開通。新たな電話番号をもらい集中システムが利用できるようになった。まっ、利用しないんやけどね。
契約したプロバイダーはOCN。ACCAのADSLである。なんでOCNを選んだかというと、3カ月間無料だからである。インターネット上で契約をして、1週間ほどでADSLモデムが送られてきた。富士通製のモデムである。そしてそれから3日後。NTTの内部工事があってADSLが開通した。
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これがセキュリティ&集中システム。今じゃ単に電気のスイッチとドアホンになっているのだ
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送られてきたADSLモデム。富士通製
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■ADSLが接続できないのはなぜ?
さっそくADSLモデムを接続してインターネットに接続……あれ? おかしい。モデムのADSLランプが点かない。取扱説明書には、“ADSL接続ができるとランプが点く”とある。しかし、どれだけ待っても点かないのである。ADSLモデムの裏側に挿したケーブルを利用して電話機とつなぐと、きちんと電話はできる。……ということは回線はきちんと生きているってことだ。ワシの結線ミスなんかではないのだ。
さっそくOCNのサービスセンターに連絡。すると、それはACCAに聞いてほしい…とのこと。そこでACCAに電話してみると、きちんと開通しているので利用できるはず、とのこと。ADSLランプは点きませんかと尋ねられ、点かないと答えると、配線が間違っているのではないかという。いやいや電話機としては利用できるから配線も間違っていないと答えると、ADSLランプは点滅していないかと聞かれる。回線状況が安定していない場合には点滅したりするのだそうだ。しかし、点滅はしていない。その旨を伝えると、開通した直後は安定していないことがあるので、もう一度明日テストしてみてほしいとのこと。とりあえず、ワシんとこはケーブルテレビでインターネットができていたので、勧めに従って翌日様子を見ることにした。
■なかなかラチがあかないのだ
次の日、同じように接続してみたのだが、やはりランプは点かない。ACCAのサービスセンターに連絡して、また一からすべてを説明。配線を一度見直した方がいいのでは……ということになり、それはNTTに連絡してほしいという。そこでNTTに電話して、またまた一から内容を説明して配線の確認を頼んだところ、それはセキュリティシステムを通っているのが原因だろう、だからマンションの業者に言わないとダメとの回答。そこで、マンションの業者に電話、またまた一から説明して……。すると、電話配線に関してはやはりNTTがやっているからNTTの問題だという。
こうなってくるともう収拾がつかない。電話するたびに、一から説明しないといけない。何回か連絡をしているうちに、さすがに腹が立ってきて、NTTに電話して「とにかく何が原因か知りたいから、一度来て、どこが悪いのかを判定してくれ」と言ったのである。
それから1週間後。やっとNTTが見に来てくれた。結論から言うと、セキュリティシステム、集中システムなどを通っているため抵抗が増え、電話としては利用できるがADSLとしてはダメだったとのこと。セキュリティシステムも集中システムも使っていないから、それらの配線を外して直結することで問題は解決した。
工事に来た人が言うことには、最近ではこういったシステムを使っているところが多いから、こういった問題が多いんですよとのこと。え゛~。それなら、もうちょっと早く原因がわかりそうなもんである。しかもである。今回見に来た工事費を取るという。
しかし、最初に工事に来た人がきちんとテストをしていればこういったことが起こることはなかったわけだから、絶対に納得できない。そして、それをきちんと順を追って説明したところ、向こうも納得してくれた。したがって料金を支払うことはなかった。めでたしめでたしである。しかし、もしワシがそれを言わなかったら有償になっていたわけだよなぁ~、なんか釈然としないものを感じるのである。……が、まっきちんと開通したってわけでその辺は忘れつつあるのだ。
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配線をすべて直結にしてもらった。セキュリティシステム&集中システムは利用できないが、使ってなかったからまったく問題はなし
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とにかくADSLは無事開通したのである。で、その3日後、CATV業者から連絡があり、30Mbpsのモデムを持って行きたいとのこと。そんなわけで、ケーブルテレビでのインターネットも30Mbpsになったのである。
(2003/12/05)
■参考データ
居住地区 | 大阪府大阪市 |
回線の種類 | ADSL 26M |
接続事業者 | アッカ・ネットワークス |
線路距離長 | 2,100m |
伝送損失 | 34dB |
プロバイダー | OCN |
スループット | 下り約3.5Mbps、上り約900kbps |
□アッカ・ネットワークス
http://www.acca.ne.jp/
□OCN
http://www.ocn.ne.jp/
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