■ブロバンのきっかけはICQ
僕とインターネットの出会いは1996年まで遡る。それ以前はNIFTYで遊んでいたのだが、「インターネット」という言葉を無視できなくなり、近所のプロバイダーに加入して28.8kbpsのモデムから始めてみた。当時はインターネットが現在ほど普及しておらず、個人のホームページも少なかった。
そんな中、インターネットを始めて3日目にして自分のホームページを立ち上げてみた。コンテンツは特に何もなかったのであるが……。とりあえず他人が題材にしていないものということで「ICQ」に目をつけた。ちなみに僕のUIN(ユーザーID番号)は6桁であり、自分より古い番号の人には滅多にお会いできない。多くの人に使ってもらいたいと考え、HOW TOもののページを作成したところ、けっこうウケたのだ。このICQとの出会いが自分のネットライフを大きく変化させた。
ICQを使い始めてから常時接続の必要性を感じるようになった。最初はダイアルアップ、次にISDN。テレホーダイも使った。しかし回線の遅さからいまいち満足できない日々が続いた。ICQのマイブームも一段落し、次なるコンテンツを探していた頃、「MTU Speed」というソフトウエアを見つけた。当時はブロードバンドのブの字もない頃で、「MTU RWIN」などのチューニングをしている人はまずいなかったし、その必要性もなかった。しかし「少しでも効率アップ!」と思って日々実験を重ねて、その結果を自分のホームページで紹介した。でも訪れてくれる人はほとんどいなかった。
2000年9月、自分のエリアが「J-COM」CATVインターネットのエリアになったと同時に申し込み、ついに僕にとってのブロードバンド時代が幕開けした。当時は上下とも3Mbpsであったと記憶しているが、ISDNに比べれば雲泥の差で、けっこう興奮したものである。MTU RWINの調整がCATVインターネットにかなり効果があることを発見し、いろいろなCATVインターネットのユーザーが集う掲示板にツールを紹介したものの、「レジストリをいじる」ためなのか、ほとんど相手にされなかった。しかしながら、少しずつではあるがホームページへの訪問者が増え、各方面に口コミで伝わるようになった。
■東京の自宅は無事FTTH化
僕には生活拠点が2カ所ある。ひとつは東京、もうひとつが大阪である。仕事の都合で現在大阪に在住しているが、東京の自宅にもよく戻るのである。東京の自宅ではJ-COMを導入していたため、大阪のアパートにもCATV導入を考えた。大阪の拠点が池田マルチメディアのサービスエリア内だったのだが、大家さんの許可が得られずに断念。しかし、しばらくするとADSLのサービスが開始されたので、イーアクセスに加入することにした。最初は1.5Mbps(2001年4月)、次に8Mbps(2001年10月)と次第に増速されたが、回線の品質が良くないのか、しょっちゅう切断される事態が続いた。その後2002年12月、「Yahoo!BB」の12Mbpsに切り替えたところ、嘘のように安定し、しかも速度も改善された。その後しばらくはYahoo!BBで特に不満もなく使用していた。
一方東京の自宅はUSENのサービスエリアに入ることが決まり、工事開始初日に工事をしてもらい、2002年2月、ついにCATVインターネットから光ファイバに移行した。当時は自宅前の電柱からケーブルを自宅まで引き、CATVインターネットのために開いていた壁の穴から光ファイバを通すという作業だった。メディアコンバータをつなぎ、いよいよ開通である。CATVとの間には劇的な変化があり感動した。上下とも100Mbpsのサービスで、実測値は上下ともほぼ80Mbpsである。同じUSENのユーザーである友人と大きなサイズのファイルを送受信しても全くストレスを感じない。現時点で考えうる最高の環境を手に入れたのだ。一戸建てであったため、特に制限もなく引くことができ、工事そのものについては悩むことは何もなかった。
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東京の自宅のケーブル引き込みの様子。外壁を塗り直ししたため、塗料が塗られてしまっています……
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室内に引き込まれたケーブルは、以前のJ-COMの同軸ケーブルと同じ所から引き込みました。そのためJ-COMの名残があります
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ピレリ製メディアコンバータとメルコのスイッチングハブです
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東京の自宅に置いてあるPCです
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■大家さんはNTTに弱い?
大阪のYahoo!BBが東京のUSENと比較して激遅であるのは仕方ないが、友人とデジカメで撮った写真などを交換する際に、当方から送信するのにかなりの時間を要することがあり、アップロード時の速度改善も考えるようになった。しかし大阪はアパート住まいであるために、大家さんの許可を取らねばならないという大きな障害があった。Yahoo!BBを利用していながらも、以前イーアクセスを使用していた時に使っていた「ASAHIネット」も継続利用していた。いちばん安い料金体系ということと、自分のWebサイトのコンテンツをいちいち移動するのが面倒だったからだ。
そのASAHIネットのインデックスページをのぞいてみると、「期間限定でBフレッツの工事費が無料」のキャンペーンを実施しているではないか。自分の住んでいるところがエリアかどうか確認すると、いつの間にかサービスエリアになっている。大家さんのこともあるが、NTTのほうで交渉してくれるとのことなので、ダメもとで申し込んだ。そしたら数日後NTTから電話があり、大家さんから承諾を得られたとのこと。……謎である。おそらくNTTのすることなら大丈夫ということであろうか? もちろん早速工事日を調整した。
■いよいよ大阪のアパートもFTTH化
2003年8月、夕刻から工事が行なわれる予定であった。アパート前の電柱までの工事が昼過ぎに終わり、あとは電柱からアパートへの引き込み工事を待つだけとなった。しかし何時になっても連絡が来ない。確認してもらうと、その日のスケジュールが押していて、18時以降になるという。それでも工事してもらわないと自分の日程が組み直しがきかないので、ひたすら待つことに。18時過ぎになってようやく工事の方々が来た。
自分の部屋への引き込みを検討したところ、電話線の配管を利用できることが分かり、それを利用することに。工事の人と自室で待機していると、電話線の横からニョキニョキと光ファイバが出てきた。それを適度な長さにして加工するのだが、これがかなり細かい作業のようだった(僕にはできないが、ついムズムズしてしまう)。エアコンの効いた室内で作業できた人はラッキーである。屋外担当の人は時々降る雨の中、蒸し暑いところ大汗をかきながらの作業……お疲れさまでした。
工事が終了して持参されたノートPCを使って、フレッツ・スクウェアで速度測定。なんと80Mbps出ていた。充分である。ちなみに工事の方々はNTT東日本エリアからの応援だとのこと。西日本は人手不足らしい。無事すべてが終わった後にNTTから送られてきていたIP電話機能つきのルータ「Web Caster V100」をつなぐ。ASAHIネットの設定もして速度を測定すると20Mbps前後……。がくっとなりながらも、まあ今までよりはいいかと……。しかしそれはすぐに不満へと変化した。V100はスループットが30Mbpsのルータであったのである。聞いてないよ、と早速NTTにVoIPアダプタとの交換を交渉すると、「説明不足でしたのですぐに交換する」とあっさり言われた。ちょっとNTTを見直した。
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大阪にある自宅のケーブル引き込みの様子
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大阪の自宅に置いてあるPCです
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■やっぱり人柱になってしまった
で、ルータは自分で用意することに。候補はNTT-MEの「BA8000Pro」と、まもなく発売というNTT-MEの「MN8300」。発売されて日が経ち、不具合も解消されているであろう前者と、まだ発売前の後者。しばし悩んだが、人柱になってもいいと思いMN8300を手に入れることに。しかしやっぱり人柱になってしまった。発売開始直後に不具合で改修交換となった。
交換後は快適になるはずであったが、またもトラブル。今度はルータではなくてLANボードである。光ファイバの導入に際して最高のものと思い、インテル「PRO 100S」を購入したのだが、マザーボードとの相性なのか、上りの速度が全く出ない。部屋にはインテル「82558B」や「82557」のカードもあったが、どれも同じような感じであった。もしやと思い、今まで差していたメルコのSiS900チップ使用の「LGY-PCI-TXC」に戻したところ、上下とも30~40Mbpsの数字が出るようになった。いったい何だったのだろう。ちなみにマザーボードは「A7V266-E」である。ようやく人並みのFTTH環境になれた。VoIPアダプタについては、聞いた話では不具合もあるらしいが、MN8300との相性は良好で、一度もエラーは出ていない。
速度、安定度ともに現時点で特に不具合は感じていない。東京、大阪共にFTTH環境となり、インターネットを楽しむのに現時点で何ら不満はない。IP電話に関しても特に不満はない。すでにNTT一般固定電話からの着信も可能となったし、番号通知にも対応している。音声品質に関しても、とぎれることもなく良好である。ただ、CATVの電話(J-COM PHONE等)からの着信は現時点では不可。なんとか可能にならないかなぁ……。
(2003/12/26)
■参考データ
居住地区 | 大阪府 |
回線の種類 | FTTH |
接続事業者 | NTT西日本 |
プロバイダー | ASAHIネット |
スループット | 34Mbps |
□フレッツブロードアベニュー(NTT西日本)
http://www.acca.ne.jp/
□asahi-net
http://www.asahi-net.or.jp/
□有線ブロードネットワークス
http://www.asahi-net.or.jp/
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