今回ご紹介するのは、フォトストレージサービスにソーシャルネットワークサービス(以下、SNS)機能を融合させた、SNS機能付き写真共有サイト「フォト蔵」である。「フォト蔵」の特徴を挙げるとすれば、SNS機能を備えていることは当然として、やはり最大1万枚もの写真をアップロードすることができるということ! 「あとどれだけアップロードできるのかな~? 」という心配は無用だ。
これだけのアップロード枚数をサポートする理由は、写真をアップロードしたときに、長辺が450ピクセルになるよう自動的に縮小してくれるからだろう。例えば、1,024×768ピクセルの写真であれば450×337ピクセルに、600×800ピクセルの写真は337×450ピクセルに変換される。印刷のことを考えると少々物足りないのだが、写真のデータをやり取りするのではなく、たくさんの写真を見せ合うという目的ならばベストなバランスと思える。SNS機能が付いた「フォト蔵」に適した仕様といった感じだ。
また、「フォト蔵」は招待制ではないため、誰でも自由に参加することができる。もちろん使用料も無料だ。ということで早速「フォト蔵」の会員となり、SNSでは基本ともいえるプロフィールを登録、SNS機能付き写真共有サイトとはどのようなものか試してみることにした!
■ 写真のアップロードは手軽さが光る「貼る蔵」にお任せ!
写真をアップロードする前に、まずはアルバムの作成と設定だ。「フォト蔵」では、写真の公開範囲をアルバムごとに設定することができる。初めに用意されている公開範囲は、「インターネット」、「全体」、「友達」、「家族」の4種類。「インターネット」に設定すると、そのアルバムには「フォト蔵」ユーザー以外からもアクセスすることができるようになる。SNSとしては珍しいが、この点については最後に触れたいと思う。
「全体」については「フォト蔵」ユーザー全員がアクセスできるということ、「友達」と「家族」については自分の友達リストに登録されているユーザーのみに限られる。
ん? 「友達」と「家族」ってどういった分け方なの? と思われるかもしれないが、「フォト蔵」ではユーザーを友達リストに登録するときに、そのユーザーとの関係を「友達グループ」として設定する必要がある。「友達」、「家族」はそれらグループの1つだ。
グループはそのほか、「仕事仲間」や「同級生」というように自由に追加することが可能。そしてアルバムはグループごとにアクセス権を設定できるため、友達リストに登録されているユーザーの中でも家族だけ、仕事仲間だけに見せることもできるというわけだ。
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アルバムの設定画面。特定のグループだけには見せないという設定も可能
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友達の登録情報設定画面で、「友達グループ」を設定しておく
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さて、ここまでの設定が完了すれば、後はお気に入りの写真を公開するだけ。写真のアップロードは、「フォト蔵」のアップロードフォームから登録する方法に加えて、「貼る蔵」というWindows用のアップロードツールを利用する方法が用意されている。これがまたすこぶる便利なのだ!
PC内の写真は、フォルダごとに左ウィンドウへサムネイル表示され、そこから目的の写真をチョイス。後は、アルバムやタイトルを設定して「アップロード」ボタンを押すだけでアップロード作業は完了。もちろん、一度に多数の写真をアップロードできる「一括アップロード」機能も備えている。
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アップロードツール「貼る蔵」のメイン画面。デジカメやスキャナーからの取り込みもサポートしている
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複数の写真を公開したい場合は「一括アップロード」が活躍する
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また、写真の回転や切り抜き、色調補正、エフェクト、文字入力、フォトフレームといった編集機能が一通り揃っているのも嬉しい。その中でもお気に入りなのが、モザイク、黒塗り、ランダム線による加工をカンタンに行なえる「隠す」機能だ。
友達以外にも公開したいけど、他人の顔や看板の電話番号など、勝手に公開しては問題がありそうなものが写真に写ってしまっていることも少なくない。そんな時には、「隠す」機能を使ってモザイクや黒線を入れておけば、より多くの人に公開することができる。プライバシー保護を目的とした加工にも役立つわけで、頻繁に使う機能とはいえないものの、写真を扱うサービスとしての配慮が行き届いているなぁ~という感じだ。
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「らくがきペン」ではフリーハンドの線と文字入力が可能
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明るさやコントラスト、色味を変更することができる「色調補正」
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20種類のフォトフレームもサポート
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見せたくない部分は、範囲を指定してモザイクや黒塗りで隠せ!
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また、フォト蔵では携帯電話からのアップロードもサポートしている。携帯電話から、アルバムごとに設定されたメールアドレスへ写真を送信することで、アップロードできるという仕組みだ。最近は携帯電話で撮影することが多いなぁという方も安心である。
■ 写真をきっかけにコミュニティを広げてみよう
写真のアップロードが完了したら、後はその写真を活用するだけである。「フォト蔵」にアップロードした写真を知り合いだけに見せたいというときは、まずその知り合いに「フォト蔵」へ加入してもらおう。その後は、先ほど解説した友達グループと公開範囲の設定をするだけでOK。お互いに写真を見せ合うだけではなく、写真ごとにコメントを付けることができるので、これを使って写真についてワイワイと語り合うのもヨシ。
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友達リストに登録されているユーザーの写真は、自分のトップページの最上部に表示されていく
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アイコンと吹き出しで可愛く表示されるコメント欄
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公開範囲を「インターネット」や「全体」に設定したアルバムにアップロードした写真は、友達リストのユーザーだけではなく、「最新写真」コーナーによって全ユーザーに公開される。それを見た人が気に入れば、サムネイルをクリックして拡大写真を見てくれるだろう。
写真1枚ごとにアクセスカウンターが設置されており、「こういう写真がうけるのか~」とひと目で知ることができる。まあ、「自信があったのにアクセス数少ないよ! 」なんて寂しい思いをすることもあるんですけども……! ちなみに、やはりというべきか、動物の写真は人気が高いみたいですネ。
また、アップロードした写真はアルバムごとに整理しておくことが基本になるが、写真ごとに「タグ」を付けてまとめておくこともできる。「タグ」は全てのユーザーと共有されるため、例えば「フォト蔵」に蓄積された写真の中から、“猫”というタグが付いた写真だけをリストアップすることができるというわけだ。
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サムネイルにマウスカーソルを載せるだけで、タイトルやアクセス数といった写真の情報が表示されていく
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閲覧したユーザーのログを残してくれる「あしあと」機能も用意されている
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人気があるタグをチェック。タグ付けされた枚数が多い文字列は巨大化していく
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もちろん筆者も、「最新写真」コーナーを欠かさずチェック。なんだか旅行の写真や飲み会の写真といったプライベートチックな写真が多いのは、SNSだからこそなのか。普段画像掲示板でいわゆる“ネタ写真”ばかり見ている筆者にとっては新鮮な気分でいっぱいになるのです。
そして、お気に入りの写真を見つけたら、すかさず「お気に入りに追加」ボタンをクリック。これで自分の「お気に入り写真」ページからすぐにアクセスできるようになる。
また、気に入った写真をネタにコメント機能を使って撮影者とコミュニケーションをとってみるのもよいだろう。そこで気が合えば、友達リストに登録してもらうのもヨシ。文章ではなく“写真から広がる友達の輪”という感じで!
■ ブログとの連携も! 広い範囲で写真を活かしてくれる「フォト蔵」
最後にもう1つ、「フォト蔵」では“外部サイトとの連携”という、国内で運営されているこの手のサービスとしては珍しい機能も備えているので、ご紹介しておこう。
これは簡単に言えば、「フォト蔵」ユーザー以外にも写真を公開できるということだ。例えば、ブログと「フォト蔵」を連携させる場合、エントリー内へ直接「フォト蔵」の写真を表示できるだけではなく、ブログのサイドバーに最大25枚のサムネイルリストを表示することも可能だ。サムネイルリストは自動的に最新のものへ更新されていくので、一度HTMLタグを貼り付けてしまえばタグを書き換えるといった作業を必要としない。
使い方はいたってカンタンだ。写真表示用のHTMLタグは、写真やアルバムごとに自動で出力されるので、それをエントリーにコピー&ペーストするだけ。同様に、サムネイルリストについても出力されたHTMLタグをテンプレートなどに追加すればOK。
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写真、またはアルバムごとに表示用のタグが出力される。ブログであれば、このタグをコピー&ペーストするだけでOK
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エントリーに「フォト蔵」の写真が登場! 右側のサイドバーには「フォト蔵」のサムネイルを埋め込んでみた
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もちろん「ブログの写真アップロード機能で事足りてマス」という方もいるかも知れないが、写真を多用したい場合は、写真の管理やアップロードが容易な「フォト蔵」との合わせ技でブログを運用していくのもアリ。 アップロードした写真を幅広く利用できるという点も魅力の1つだ。
写真の共有とSNS機能が見事に融合した「フォト蔵」。その他にも、メールや日記といったコミュニケーションを円滑に行なうための機能が用意されており、元々知り合いだった人とのやり取りだけではなく、写真をきっかけに知り合いを作るということもできるハズ。パソコンやケータイ電話に眠っている写真を「フォト蔵」で活かしてみてはいかがでしょうか!
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最近実装された日記機能。4枚の画像を表示できる
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■ URL
フォト蔵
http://photozou.jp/
2005/10/27 15:05
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西野滋仁 オンラインゲームで真っ直ぐに敷かれた人生のレールから飛び出し、5年の歳月を個人サイトの運営につぎ込み、インターネットこそ我が人生と言い切る弱冠26歳。現在、ソーシャルネットワークサービスで人間関係の再構築に奮闘中。 |
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