■ 無料でも機能は充実。迷惑メールの自動排除や携帯電話にも対応
仕事とプライベートのメールは使い分けたい場合をはじめ、オークション取引など継続的に連絡する必要のない相手への連絡、メールマガジン購読用など、プロバイダーのメールアドレスとは別に、フリーのメールアドレスをひとつは持っておくと便利だ。そこで、今回はおすすめのフリーメールサービスをご紹介しよう。
現在では、メールボックスの容量がギガバイトを超えるサービスも増えてきており、迷惑メールやウイルスメール対策も充実、携帯電話への対応も進んでいる。プロバイダーが提供しているメールサービスよりも使い勝手が良い場合もあるほどだ。そこで今回は、数あるフリーメールサービスの中からオススメのサービスをセレクトしてみた。
■ Yahoo!メール
さて、フリーメールサービスを利用するには、はじめにアカウントを取得する必要がある。多くのサービスでは既存のメールアドレスを登録し、アカウントの登録認証をするようになっているのだが、中には個人で自由に使えるPC用のメールアドレスを所有していない人もいるだろう。そこで、まずはアカウントを取得する時に、メールアドレスを必要としないサービスから見ていこう。今回ご紹介する中では、「Yahoo!メール」と次にご紹介する「MSN Hotmail」は、メールアドレスを持たない人でも登録可能だ。
「Yahoo!メール」は、日本最大のポータルサイト「Yahoo!JAPAN」が提供しているフリーメールサービスだ。アカウントの取得には、郵便番号、性別、生年月日の登録が必要だが、メールアドレスは不要となっている。メールボックスの容量は1GB、1通あたりの添付ファイルの送受信容量は20MBまで。サイズの大きいメールも気軽に扱えるのがポイントだ。ただし、送信メールの最後に「1行テキスト+URL」の広告が挿入されるようになっている。
メールの送受信は、基本的にWebブラウザから行なう。週に1回程度Yahoo! JAPANから送信される情報メール、「Yahoo!デリバー」に登録すればメールソフトで受信可能なPOP受信に加えて、届いたメールを自動的に任意のメールアドレスに転送することもできるようになる。
また、「モバイル版Yahoo! メール」にアクセスすれば、携帯電話でも利用可能。新着メールが届いたことを携帯電話のメールで伝えてくれる機能も用意しているので、急を要するメールにも対応できる。さらに、ドコモ、ボーダフォン、auの一部機種に対応した「Yahoo! メールアプリ」では、待ち受け画面でリアルタイムに新着メールを確認できる。絵文字の使用も可能だ。
迷惑メール対策もバッチリ。迷惑メールの疑いがあるメールを自動的に迷惑メールフォルダに移動する「迷惑メールフィルター」に加えて、受信拒否機能では500件までのメールアドレスやドメインを登録できる。さらに、何回でもメールアドレスを変更できるのも嬉しいところである。
■ MSN
ポータルサイト「MSN」が提供しているフリーメールサービスが「MSN Hotmail」。アカウントの取得時には、名前、性別、生年、都道府県、郵便番号の登録が必要だが、メールアドレスの登録は任意。メールボックスの容量は250MB。しかし、初期の容量は25MBとなっており、250MBの容量を使えるようになるには、アカウント取得から30日以上の期間が必要とのことだ。1通あたりの最大送受信容量は10MBだ。「MSN Hotmail」も、「Yahoo! メール」と同じく送信メールに広告が挿入される。
もちろん、携帯電話での利用にも対応している。「Yahoo! メール」のような携帯電話用アプリケーションは用意されていないが、iモード、ボーダフォン、auのブラウザからアクセスできる。ウィルスチェックや、自動的に迷惑メールを仕分けする機能など、基本的な機能は用意されているが、メールによる新着メール通知機能、POP受信やメールの自動転送には対応しておらず、シンプルなWebメールサービスと言える。
ひとつ気をつけなければいけないのは、「MSN Hotmail」に30日間アクセスしなかった場合、アカウントが無効になってしまうこと。ボタン1つですぐに有効な状態に戻せるが、受信済みのメールやアドレス帳が削除され、アカウントが無効になっている期間はメールが届かなくなる。また、アカウントが無効になってから90日経過すると、アカウント自体が削除される。定期的にアクセスするようにしよう。
■ gooメール
「gooメール」は、メールボックス容量6MB、1通あたりのメールサイズ1.5MBのWebメールサービスだ。登録にはPCのメールアドレスまたは携帯電話のメールアドレスのいずれかが必要となる。
POP受信や自動転送には対応していないが、新着メールの送信者、件名、日時を記載したメールを任意のメールアドレスに届けることができる。ドコモの携帯電話からのアクセスも可能、さらに、ドコモの900i/901i/901iS/902iシリーズに対応した専用iアプリも用意している。待ち受け設定にしておけば、新着メールを端末の着信音やバイブレーションで確認できる。
迷惑メール対策には、迷惑メールの疑いがあるメールを自動的に迷惑メール用フォルダに振り分ける機能、任意のメールアドレスやドメインのメールを受信しない受信拒否機能に加えて、指定受信機能も用意しているのがポイント。決まった相手だけとメールするのであれば、迷惑メールを完全にシャットアウトできる。ウィルスチェックにも対応している。
メールボックスの容量が少なく、Web専用のメールサービスではあるが、送信メールに広告が挿入されることはない。PCと携帯電話で相互に利用したい人で、「gooメール」のiアプリに対応している端末を使っている人にはオススメのメールサービスだ。
■ Gmail
最後に紹介する「Gmail」は、googleが提供しているフリーメールサービスだ。ただし、「Gmail」はこれまで紹介してきたサービスとは異なり、登録制ではなく招待制となっている。そこで、Gmailを利用するには、まず、招待してくれるGmailユーザーを探す必要がある。もっとも、2004年からサービスを開始しており、現在はユーザー数もかなり増えていると思われるので、IT関連の仕事をしている人などではGmailユーザーを探すのはさほど難しくないだろう。
メールボックスの容量は大容量の2.5GB以上。1通あたりのメールサイズは10MBだ。基本はWebブラウザで利用することになるが、ラベリングによるメールの分類、高速な検索機能を備えており、大量のメールも管理しやすい。POP受信に加えて自動転送にも対応。フィルター転送機能を使うことで、最大20個のメールアドレスに自動転送できる。もちろん、ウィルスチェックや迷惑メールフィルターも備えている。
これだけの容量や機能を無料で使える上に、現在までのところは、送信メールに広告が表示されることもない(ただし、これについては今後変更される可能性がないとは言えない)。利用するまでの敷居はやや高いが、非常に魅力的なサービスだ。また、GmailのIDを取得していれば、今後Googleが提供する、登録ユーザー限定のクローズドなベータサービスも利用できる可能性が高い。機会があれば、ぜひIDを取得しておくようおすすめしたい。
■ フリーメールサービスは安心して使えるものを選ぼう
フリーメールサービスは星の数ほどあるが、中には、短い期間でサービスが停止してしまったり、メンテナンスが多く快適に利用できないサービスもある。その点、今回ご紹介したような大手ポータルサイトのサービスであれば、継続性についてはほぼ安心と考えてよいだろう。もしも事業が継続されない事態があったとしても、大手ポータルの場合は、ユーザーやサービスの受け皿は用意されるはずだからだ。
また、メールサービスを選ぶ際には、運営主体の企業が個人情報管理の意識をきちんと持っているかどうかも考えておかなくてはならない。大手ポータルサイトであれば、そうした面も対策済みであると考えていいだろう(もっとも、それでも100%情報が漏れないという保証はないが、個人などが運営するサービスより安全性は高いと思っていいだろう)。
メールサービスでは、非常に個人的な情報をやり取りすることも多く、メールの本文は通常暗号化もされていないため、メールサーバーの管理者が盗み読もうと思えば簡単に読むことができる。情報の悪用が目的でフリーメールサービスを短期間立ち上げるような人間がいないとも限らない、ということは頭に入れておいた方がいいだろう。
基本的には1回限りのやりとりしか行なわないオークションの相手などへの連絡で、フリーメールを利用することも多いだろう。そうした場合、銀行の口座などもメールでやり取りする必要が出てくる可能性がある。運営母体の組織名や住所など、責任の所在がはっきりしないメールサービスは避けた方が無難だろう。メールに限らず、無料サービスでは、利用規約だけは事細かに記述されているが、運営母体については一切記述がないということも珍しくない。
今回紹介したサービスは、筆者の主観ではあるが、継続性の高さも含めて安心して利用できることと使い勝手の良さの2点を重視してセレクトしたつもりだ。フリーメールに興味がある方は、まずはこれらのサービスから利用してみてはいかがだろうか。
2006/08/10 16:16
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西野滋仁 オンラインゲームで真っ直ぐに敷かれた人生のレールから飛び出し、5年の歳月を個人サイトの運営につぎ込み、インターネットこそ我が人生と言い切る弱冠26歳。現在、ソーシャルネットワークサービスで人間関係の再構築に奮闘中。 |
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