前回、開通直後のテストで速度向上が見られなかったと報告したYahoo! BB 26M。しかし、再度テストを試みたところ、速度の向上が見られた。あらためてテスト結果をレポートする。
■12Mbpsに比べて2Mbpsのアドバンテージ
開通直後のテストでは、まったくと言っていいほど速度向上が見られなかったYahoo! BB 26M。さすがに12Mサービスから何の変化も見られない点に疑問があったため、開通から数日にわたって速度を計測し直してみた。
結果は以下の通りだ。開通直後は約6.8Mbpsだった速度が、翌日や翌々日での計測では約8.6Mbpsと、約2Mbpsほど速度が向上していた。
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BB Speed Checker
(Yahoo! BB提供) |
RBBToday |
BroadBandSpeedtest |
下り |
下り |
上り |
下り |
7月22日(開通日) |
13:00前後 |
6,817kbps |
6.80Mbps |
725kbps |
6.8Mbps |
7月22日 |
22:00前後 |
8,660kbps |
8.01Mbps |
860kbps |
8.6Mbps |
7月23日 |
8:00前後 |
8,510kbps |
8.11Mbps |
860kbps |
8.6Mbps |
7月24日 |
13:00前後 |
8,233kbps |
7.52Mbps |
830kbps |
8.6Mbps |
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速度の推移を示すグラフ |
では、どうして速度に違いが見られたのだろうか? これは、あくまでも想像にすぎないが、開通直後は26Mサービスで接続されていなかったのではないかと考えられる。筆者宅の開通予定日は、前回、本コラムを掲載した7月22日だが、この時点ではNTT側の局内工事、およびモデムの配送のみが行なわれたにすぎず、事業者側(DSLAM側)で26Mサービスの設定が行なわれたのは、その後だったと推測される。このため、12Mbpsサービスとして接続されてしまい、以前とほぼ同じ速度しか実現できなかったのだろう。
また、筆者の開通日でもあった7月22日に、26Mサービスの開通が殺到したため、Yahoo! BB網内のネットワークや速度計測サイトが混雑したという点も考えられる。このような原因から、開通日以降に26Mサービス本来の速度が実現できるようになったのだろう。
開通日での計測で約6.8Mbpsしか計測できなかったのは間違いないが、多少、筆者の勇み足だった点があるのも事実だ。
■2Mbpsはダブルスペクトラムの恩恵と推測できる
ただし、今回の一件でひとつ興味深いことが推測できた。前述したように、開通日当日にダブルスペクトラムで接続されていないと仮定すると、実際に速度の向上が見られなかったことから、新型のモデムの純粋なハードウェア性能向上による速度の上積みがあまり期待できないか、あったとしても実効速度に影響するほど大きいものではないのではないかと推測できる。
となると、今回、筆者宅で見られた2Mbpsの速度向上は、G.992.5 AnnexAのダブルスペクトラムによる恩恵である可能性が高いということになる。伝送損失が28dB程度の場合でも、ダブルスペクトラムの効果があるのであれば、それはそれで朗報だ。26Mサービスに加入しようかどうか迷っているユーザーのひとつの指針にはなるだろう。
■コストパフォーマンスをよく考えるべき
とは言え、2Mbpsの速度向上をどう捕らえるかはユーザー次第だ。確かに数値だけ見れば2Mbpsの速度向上は大きい。しかし、実際にインターネットを利用する上で、この2Mbpsの速度向上を実感できるケースはほぼないと言える。Webブラウジングが劇的に快適になるわけでもなければ、ソフトウェアのダウンロードなども気持ち速くなったと感じる程度だ。
今回の継続的なテストによって、条件次第では確かに20Mbps超ADSLの効果が期待できることはわかった。しかし、接続料金やモデムのレンタル料金などが数百円(Yahoo! BBの場合は300円)高くなることを考えると、この速度に対してさらなる投資をすべきかどうかはよく考える必要があると言えるだろう。
(2003/07/29 清水理史)
□関連記事:第64回:Yahoo! BB 26M速攻レビュー
http://bb.watch.impress.co.jp/column/shimizu/2003/07/22/
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