それではまず、Oggの特徴から見てみたいと思います。Oggは2003年5月に「RFC3533(The Ogg Encapsulation Format Version 0)」と「RFC3534(The application/ogg Media Type)」としてRFCに採択が完了しています。ちなみにOggという名前は“Orion ship G(通称Og)で特攻(Kamikaze Attack)をかけまくるという戦略(戦術?)”が流行ったことがあり、これが転じて敵の戦略に対抗するのをOggと称するようになった“ようです”。この場合で言えば、特許をライセンスすることで収入を得るという大手ライセンシーの戦略に対抗するという意味合いを持たせている模様です。
ところでヘッダの中に「stream serial number」という項目があります。Oggでは複数のデータストリームを扱うことが可能だというもので、Xiph.OrgのWebサイトにあるOggStreamの説明ページ下部の図にもあるように、赤・水色・緑の3ストリームが混在するかたちで1つのファイルを構成できます。この場合、ページ単位で混在することになるので、各ページには、“自分はどのストリームデータを持っているのか”を示す必要があります。これを示すのが、stream serial numberというわけです。
その一方、いくつか異なる点もあります。その最大の点は、ビットレートが「VBR(Variable Bit Rate:可変ビットレート)」のみということでしょう。MP3は、「CBR(Constant Bit Rate:固定ビットレート)」を採用していますから、端的に言えば演奏時間とファイルサイズは比例関係にあります。