まず最初に、UNIXのシェルについて簡単に説明しておきます。このシェルというのは、UNIXにおいてはユーザーとの直接的なインターフェイスを提供するプログラムです。こうしたものを「コマンドインタープリタ」と呼びますが、昔のMS-DOSならば「COMMAND.COM」、今のWindowsで言えば「Exploler」や「デスクトップ」、Mac OSで言えば「デスクトップ」(Mac OS Xからは下でUNIXが動いている関係で、コマンドインタープリタ=シェルになってしまったりしていますが)、といったものがこれに該当するでしょうか。つまり、UNIXにおいてはこのシェルが動けば、基本的にはUNIXでできるすべてのことがシェルから呼び出すことが可能になります。
そこで、SSHの枠組みを変えないようにしつつ、SSH Version 2で使われている特許に抵触しない範囲でSSH Version 2とほぼ同じ機能を提供しようという取り組みがOpen SSHです。このOpenSSHは完全に無償で利用できるため、今ではほとんどLinuxディストリビューションがこれを実装しています。
このOpenSSHは、OpenBSDプロジェクトによって開発されており、まずOpenBSD 2.6に実装されて登場しました。その後は、さまざまなプラットフォームに移植されており、主要なプラットフォームとしてAIX/HP-UX/Irix/Linux/NeXT/SCO Unix/SNI/Reliant Unix/Solaris/Digital Unix/Tru64/OSF/Mac OS X/CygwinといったUNIXベースのOSがラインナップされています。また非UNIX OSに対してのOpenSSH互換SSHも開発されており、WindowsやMac OS、Palm OS、Javaなどが、すでにSSH対応になっています。