PPPoEとは「PPP over Ethernet」の略です。名前の通り、イーサネットの回線上でPPPと呼ばれるプロトコルを使って通信するための技法です。このPPPoEを使うことで、ADSLや光ファイバ、LAN上ですら、ユーザー認証などが可能になります。
■ PPPとは?
図1「イーサネットを使ったTCP/IPの通信」
と書いても、イーサネットはともかく、PPPは何ぞや? という疑問が出てくると思うので、先にPPPの説明をしてしまうことにしましょう。PPPとは「Point to Point Protocol」の略で、今ではRFC1331として標準化されています。このPPPとは汎用のプロトコルで、複数のプロトコルの相互接続を可能にするものです。
そこで登場したのが、SLIP(Serial Line IP)あるいはPPPです。どちらのプロトコルも、電話回線やRS-232C接続などを使って、IPプロトコルを通すことを目的としています。両者の違いは、SLIPがIPプロトコルしかカバーしていないのに対し、PPPはAppleTalk/IPXなど、さまざまなプロトコルに対応していることで、この結果PPPが主流を占めるに至りました。ちなみにこのPPP全盛となる背景には、MicrosoftのWindows 95がPPPに正式対応したことや、プロバイダーがこれにあわせてPPP対応を行なったことも大きかったりします。