ADSLやFTTHを使ってインターネットアクセスしている人にはほとんど無関係ですが、CATVを使ったインターネットでは必ず出てくる用語が「DOCSIS」です。読み方はそのまま“ドクシス”で、「Data Over Cable Service Interface Specifications」の略語です。名前の通り、CATVを使ったネットワークのプロトコルや制御インターフェイスなどが定義されます。
まず一般的な話からしましょう。CATVの場合、1本の同軸ケーブルでセンターと各家庭が繋がっています。CATVですので、当然VHFやUHFといったテレビの映像信号が流れているわけですが、これに重ならない形でインターネット接続用の帯域が確保されています。図1は初期(1990年代後半~2000年前後)における、一般的なCATV回線における帯域の利用状況を示したものです。上りが概ね数百KB/sec、下りが数MB/secといった程度で利用されていました。この周波数配分は、国によっても異なる場合があり、従って初期の段階ではCATVのプロバイダーごとに細かなスペックが違っているという状況にありました。