ちなみにLANの対義語はWAN(Wide Area Network:広域通信網)で、LANを超える範囲の接続を指します。これも明確な定義はないのですが、図2のようにLAN以外のネットワーク接続≒WANというのが当初のイメージでしょう。WANという用語が確立した時点では、まだインターネットは一般的ではありませんでした。従って当時は、例えば会社ならば本社-支社間の接続などがWANに該当したわけです。その後、インターネットの普及に伴い、インターネットとの接続はWANとして認識されるようになりました。
また、ISP(Internet Service Provider)との接続も、従来は電話回線やモデムだったわけで、明確にイーサネットとは異なっていたわけですが、最近ではCATVやADSL、光ファイバなどの接続を使うことでスピードが高速化されています。さらに下位プロトコルとしてPPPoEを使ったり、上位プロトコルとしてVPNを使ったりすると、「どこまでがイーサネットか」がかなりあいまいになって来ています。
まず、周辺機器類の接続はPAN(Personal Area Network)と分類されます。これは物理的に数メートルの範囲のIA(Information Appliance)機器の接続を指すことが多いようです。一方、LANはとにかくイーサネットの口が付いているとか、無線LAN機能を搭載する機器すべてを包括したものになりますが、その範囲はISPとの接続に使うルータまでということになるようです。
その先はすべてWANということになるのですが、最近では特にISP向けのハイエンドルータを発売している一部の機器メーカーなどがMAN(Metropolitan Area Network)という概念を提唱しています。その概念によれば、WANというのはISPの先の接続、つまりIX(Internet Exchange)などの接続にあたる部分で、逆に都市部などでのネットワーク接続はMANという分類にあたるとしています。