VoIP(Voice over IP)とは、TCP/IPで接続されたネットワークの上に音声を流すという意味です。これにより、電話回線をわざわざ引かずに電話が可能になるというメリットがあります。さらに言えば、TCP/IPの場合は距離と通信コストはまったく無関係です。この結果、原理上は市内通話も国際電話もまったく同じコストで実現でき、ひいては通話料の劇的な削減が可能になるというメリットがあります。
加えて、ADSLやFTTHの普及により、アクセスの帯域が大幅に増えました。NTTの局舎からよほど遠いケースは別にして、ADSLでも数Mbps程度の速度は確保できますし、FTTHでは数十Mbpsに達しています。これだけの帯域があれば、通話の帯域は十分確保できます。また、プロバイダーのバックボーンも、(NetMeetingが登場した当時に比べると)数千倍もの帯域に拡張されました。
また、レイテンシ(伝搬時間)に関する問題もだいぶ解決されました。物理的にレイテンシが短くなった(これはバックボーンが拡張されたことに起因します)上に、QoS(Quality of Services)という技術により会話のパケットを、ほかの通信に比べて優先的に取り扱うことで、音声は切れにくくなっています。