ネットワークでのワークグループは、もともとMS-DOSで利用されていたNetBIOSというネットワーク環境が、その元になっています。NetBIOSは、MS-DOS Version 3で追加されたもので、PCにローカルHDDやFDDだけでなく、ネットワークにもアクセスできるようにさせた仕組みです。このときに導入されたのがワークグループという概念で、Windows V3.1(厳密に言えば、Windows for Workgroup 3.11)を経て、Windows 9xのときには広く利用されました。
従って、当時は「NetBEUI(NetBIOS Extended User Interface)」と呼ばれるプロトコルが主流でした。これはIBM、Microsoft、3COMの3社によって策定されたプロトコルで、TCP/IPのようにIPアドレスやネットマスク、デフォルトゲートウエイといった面倒なパラメータ設定をする必要なく、ネットワークに接続すると自動的に通信が行なえるものです。唯一、必要だった点は各マシンに固有の名前(ホスト名)をつけることで、NetBEUIでは命名されたホスト名を介して通信を実現していました。