最近になって気がついたのだが、私は通信オタクかもしれない。まだインターネットという言葉が珍しい時代――パソコン通信の時代から、私のネット生活は始まった。
■ 通信対戦ゲームに夢中だったパソコン通信時代
|
写真は私の初TOWNSと2台目のTOWNS。中央のソフトはAirWarrior
|
私がパソコンを買ったのは高校生の時だ。当時はNECのPC-9801シリーズが人気だったが、私は周りの目を気にしながらも富士通のFM-TOWNSを購入した。当時のパソコンは非常に高価なもので、ディスプレイと本体(FM-TOWNSはキーボードも別売り3万円だった)で40万円くらいした事を覚えている。まだ5インチのフロッピーディスクと3.5インチのフロッピーディスクが共存していた時代に、CD-ROMドライブを標準搭載したFM-TOWNSは画期的だったと思う。
だが、私にとってCD-ROMを搭載しているとか、標準でフルカラー表示(640×480ドット表示時)可能とかCPUが最新の486であろうがどうでもよかった。目的はただ1つ! 「富士通AirWarrior(以下AirWarrior)」というゲームソフトがやりたい、それだけの理由でFM-TOWNSを購入したのだ。
AirWarriorは、リアルタイム通信対戦型のフライトゲームだ。今ではもはや珍しくもないジャンルかもしれないが、当時としてはかなり画期的だった。難点は、パソコン環境をそれなりに整えなければならない点と、さらには通信費が高いと言う点だ。
まずは、パソコンを電話回線に接続するためのモデムが必要になる。当時は1,200bpsのモデムが主流で、やっと高速な2,400bpsのモデムが登場したばかりという時代。高校生でお金がなかった私は、1,200bpsのモデムを購入した。今のブロードバンド環境では文字と画像が一瞬にして表示されるが、当時の1,200bpsは表示される文字を追って読めるほど遅かったのを覚えている。
通信料も問題で、AirWarriorを利用するには東京のホストコンピュータに接続する必要がある。その接続料は「NTTの市内電話料金3分10円」+「NIFTY-Serve接続料金1分10円」+「AirWarrior使用料1分6円」という3段構えの課金制度。わずか1時間で860円(深夜の割引などを除く)かかる計算だ。おまけに通信中は電話がかかってきても話中なので、家族も大迷惑だったことだろう。パソコン購入の主たる目的がAirWarriorだった私が、このゲームに夢中にならないわけがなく、汗水たらして稼いだバイト代が右から左へと消えていった……。
■ 草の根ネットから光ファイバへの道のり
AirWarriorのために始めたパソコン通信だったが、通信の世界を知れば知るほど速度が気になってきた。というのも、「草の根ネット」と呼ばれる個人運営のサーバーが登場し始めたからだ。草の根ネットは個人の自宅へ電話をかけるので、遠距離になればなるほど電話代がかかる。同じファイルをダウンロードするなら当然速度が速い方が有利。2,400bps、9,600bps、14,400bps、33,600bpsとモデムの買い替えが続いた。
33,600bpsの次は56,000bpsを購入するはずだったのだが、自宅がISDNのエリアに入ったため、一気にデジタル化の道を進み始めた。この頃にはAirWarriorもすでにサービスが終了して通信費も安くなり、インターネットブームが到来しつつあった。ブロードバンドの先駆けとも言えるADSLサービスにも提供開始と同時に飛びつき、その後FTTHを導入して現在に至っている。
■ 引越しで待ち受けていた「NTT」の罠?
|
問題(?)の社員寮。地図上ではNTTと印されていたので局舎と思い込んでしまった
|
長い歴史を経てついに最大100Mbpsという速度を手に入れてしまうと、逆に昔のように速度を求めることはなくなった。メールが見られればいいという平和な状況が続いていたが、引越しをする事になって、新たなインターネット環境を探す必要が出てきた。
最近は「インターネットあり」という物件が増えており、はじめからFTTH工事済みの物件に入居すれば、大家の許可や管理会社の許可を必要としないので楽である。ただ、マンションなどは一棟で100Mを共有するベストエフォートが多い点が気になった。極端な話、実測1Mbpsしか速度が出なくても文句は言えないからだ。
私は100Mbpsが独り占めできる物件が良かったのだが、妻は目をつけていた物件がどうしてもいいと引かない。そこで地図を見たら近所にNTTの文字が。「基地局が近いからADSLでも速度は出るだろう。いざとなったらADSLを引くか……」という判断で、妻の気に入っている物件に決めた。
契約を済ませ、引越しの準備にかかった。電話を移設するために手続きを終え、新しい電話番号も割り当てられた。FTTHが入っているマンションなのでこの申し込みを行なった上で、念のためにADSLの検討にも入った。
ところが、電話番号でADSLの状況を確認すると、基地局の住所はマンションの近所ではない。「変だな……。まだ電話番号が前の人の住所のままなのかな?」と思い、地図を再度確認してみると……。「やられた!」地図に掲載されていた近所のNTTとは「NTT社員寮」のことだったのだ……。
■ 回線共有でも十分なスピード
|
ルーターはアイ・オー・データ製の「NP-BBRM」。安定しているので見えない屋根裏に設置
|
引越しの作業は滞りなく進み、マンション入居時に契約したFiberBitからアカウント情報が送られてきた。
料金は加入料が2,100円(税込)で月額基本料金が2,415円(税込)と非常に安い。その他のサービスも充実しており、メールアカウントは5個まで無料。
ホームページも10MBと少々少ないが、5個のアカウント分もらえるので50MB分をもらえる。もちろんIPはグローバルIPを1つ動的に割り当てだ。
パソコンも準備して早速スピードを計測。今回はBNRスピードテストを使いテストしてみた。
【BNRスピードテスト(ダウンロード)】
NTTPC(WebARENA) | 52056.04kbps(52.056Mbps) | 6506.95kB/sec |
ASAHI-Net | 6563.688kbps(6.563Mbps) | 820.44kB/sec |
推定転送速度 | 52056.04kbps(52.056Mbps) | 6506.95kB/sec |
測定日時: 2004年09月03日(金)20時03分
測定サイトURL: http://www.musen-lan.com/speed/
当初は回線共有で速度が遅くなるのではないかと心配していたのだが、それは杞憂だったようだ。金曜日の夜という時間にもかかわらず、52Mbpsという数字が出た。何度か試したが、ほぼ標準的な数値のようだ。ASAHI-Netがなぜか遅いが、細かいことは気にしない。はっきり言って大満足だ。ついでに光ファイバならではのアップロード速度も計測してみた。
【BNRスピードテスト(アップロード)】
データ転送速度 | 54.70Mbps (6.83MB/sec) |
転送データ容量 | 800kB |
転送時間 | 0.117秒 |
測定日時: 2004年09月03日(金)20時09分
測定サイトURL: http://www.musen-lan.com/speed/
さすが光ファイバ、アップロードも速い。まだマンションは全戸に入居しているわけではないのだが、速度が劇的に遅くなることはないだろう。価格とサービス、スピードを考えれば非常に満足な結果だ。引越し当初に検討していたADSL計画は当面必要ないと思う。
■ 参考データ
居住地区 | 東京都杉並区 |
接続事業者 | エフビットコミュニケーションズ |
回線の種類 | FTTH マンションタイプ |
プロバイダー | エフビットコミュニケーションズ |
スループット | 下り約52Mbps、上り約54Mbps |
■ URL
エフビットコミュニケーションズ
http://www.fbit.co.jp/
2004/09/16 11:11
|
アラカバ大尉 趣味はテニス、スキーなどアウトドア中心だった。が、今はパソコン野郎に……。家にいるときは99.89%の確率でパソコンの前に座っている。最近では長時間のゲームにも耐えられるよう社長椅子を購入。ますますパソコン野郎を加速させている。 |
|