■ 子供の教育に悪いんじゃないか?
|
ケーブルテレビ回線にはケーブルモデムが必要。といってもこれは事務所で使っていたケーブルモデムで、自宅で使っていたのはもう少しコンパクトだった
|
こんにちわー。編集プロダクションやってる西尾です。今日は自宅の回線の話をしようと思います。
以前「ブロードバンド百景(第15景)」で自宅の回線を報告報告したのは、早いものですでに1年以上前になります。当時は東急ケーブル(現:イッツコム)を使っておりました。回線的には問題もなく(当時はたしか公称値最大14Mbps)、快適にインターネットしていたのですが、弊害も目立つようになってきました。
自宅のケーブルはインターネットだけでなく、本来のテレビサービスにも加入していました。まあ、BSも見られるし、アンテナも要らないし、いいんじゃないかなあ、と軽い気持ちで入ったのですが、ウチの小学生の子供2人が朝から晩までアニメチャンネルを見続けるように……。これにはちょっと閉口しました。もちろん見ないようには言うのですが、ずっと監視してるわけにはいかないし、見られるものを見るなというのもなんだか理不尽。インターネットの有害サイトなんぞが問題になっておりますが、見せたくないものはいっぱいあるんだなぁ、と思った次第。このあたりは第15景で報告したとおりです。
■ 私はキライじゃないよ、Yahoo! BB
そんなこんなで2002年の夏ごろ、東急CATVを止めて他の回線にすることにしました。
まず、回線はADSLに。すでにADSLの価格競争が始まっていて、どこもずいぶん安くなっていたし、技術的にも安定してきて、とんでもなく遅いという話も少なくなってきたころです。ついでに電話回線をISDNからアナログに変更すれば、基本的な電話代も安くできるという思惑。
ちなみにそれまで東急CATVには、インターネットサービスが3,360円、共通サービス(本来のテレビ代)が3,990円で、合計7,350円。いま考えると、けっこう高い料金を払っていたんですなあ。
|
Yahoo! BBのADSLモデム。といっても写真は旧モデルで、実際に使っていたのはもうちょっと新しい型です、すいません
|
それから情報を集めて、結局「Yahoo! BB」に決めました。すでに12Mサービスも登場していたのですが、当然ながら安い8M回線に。友人のネットワークエンジニアの「そんな差はわかりゃせん」という言葉が決め手になりました。
Yahoo! BBにした理由は、値段の安さはもちろんですが、そのころ同社を取材する機会があり、初期のイメージダウン(申し込んだが返答がなくて待たされる、他)を払拭しようと必死になっている姿に心を動かされたってのもありました。それと始まったばかりのIP電話(BBフォン)も試してみたかったし。
申し込みから開通まで、「やたら待たされる」という意見を山ほど聞いていたので多少は覚悟していたのですが、私の場合は申し込みが2002年の8月12日、開通は8月21日と、わずか10日。「Yahoo! BBはがんばってるなぁ」と、思った記憶があります。
事前に届いていたモデムをつなぐと、すぐにインターネットの始まり。接続はぜんぜん問題なかったです。速度は8Mbpsは無理として、実測3Mbps近くは出ているので十分でしょう。もちろん東急ケーブルと比べれば、違いが体感できるくらいに速かったです。
【スピードテスト結果:東急CATV、Yahoo! BB】
| 東急CATV | Yahoo! BB(8M) |
ダウンロード | 1.49Mbps | 2.80Mbps |
アップロード | 215.4kbps | 615.4kbps |
計測サイト:speed.rbbtoday.com、2002年8月の計測結果 |
■ どうして話中にできないの?
そんなわけで使い始めたYahoo! BBですが、最初につまずいたのはBBフォンでした。いや、接続は問題ないです。とても簡単です。ですが、話中にならないのです。
BBフォンで話しているときに一般加入電話から電話がかかってくると「ブーブー」と割り込み音が聞こえますが、そっちに切り替えるには先客を切るしかありません。後からかけてきた相手には普通の呼び出し音が流れているだけなので、いつまでたっても呼び続けるわけです。自宅から仕事の用件で大事な電話しているときにブーブーと延々呼び出されて、しかたなく電話を切り替えたら、「お墓のご用命は……」。そりゃ腹も立ちますわな。
中途半端なキャッチホンにするなら、単純に話中にすればいいはずです。話中にして「プープープー」という例の音を先方に流せば、改めて電話してくるはずですから。BBフォンのサポートにも文句をいいましたが、なにやら技術的な面で、話中にできないそうです。
その時点でBBフォンを止めました。止めるのは簡単。スプリッタから直接電話につなげばOKです。
|
BBフォン接続図。上がオリジナルの接続方法だが、BBフォンが使いづらいため、下のように、モデムを通さずに電話をつないで使っていた
|
■ 個人情報は証券化していいものなの?
まあ、BBフォンは使えなくてもかまいません。余分に料金を取られているわけではないし、いままでどおりのマイラインで電話すればいいだけのこと。私がYahoo! BBを止めることにしたのは、2003年6月24日の規約変更がイヤになったためです。
ちょっと引用してみます。Yahoo! BBの「接続機器レンタル規約」の第10条は次のようになっています。
第10条(個人情報等の保護)
当社は、レンタル契約に関連して知り得た会員の個人情報を、次の各号の場合を除き、本人以外の第三者に開示または漏洩しないものとし、かつレンタル契約提供のために必要な範囲を超えて利用しないものとします。
|
と、これはよくある個人情報の保護の規約で、問題ないです。しかし以下の除外項目が追加されました。
第3号 (2003年6月10日付)
接続機器及びレンタル契約の証券化・流動化またはこれらを利用したその他の資金調達に伴い、これに必要な範囲で、個人情報を適切に管理するよう契約等により義務づけた取引当事者に対し、個人情報を提供する場合。 (以下略)
|
これをどう読みますか? まあ、いろいろ解釈はあるでしょうが、私は「モデムの証券化とともに個人情報を横流しします」と読み取りました。それはヤだなあ、と思いませんか?
もちろん規約ではいろいろな制限を付けています。個人情報は適切に扱うとか、2カ月以内に異議を申し立てることができるとか。でも、そんなことより、個人情報をそのように扱う会社の姿勢そのものがイヤになったわけです。
■ 1Mbpsで十分じゃないの?
それでYahoo! BBを止めることにして次の回線探しです。ご存じのとおり、ADSL業者は値段競争を強烈に進めていて、どれも安くなっています。なかでも気に入ったのは平成電電の「風神ライト」月833円!というサービスですが、私が住んでる川崎はサポート外でした。残念。
次に目についたのは、Accaの1Mサービスです。ADSLは8M、12M、24M、40M以上とどんどん速くなっていますが、そんなものは個人宅で必要なんだろうか、と思ったわけです。仕事ならいざ知らず、メールしたり、DVDをオンラインで買ったり、子供の宿題をWebで調べてやるといった使い方なら、そんな速い回線は要らんだろうと考えたわけです。夜な夜なあやしいデータをダウンロードするなら速いほうがいいのでしょうが、そんな趣味は持ってないしぃ。
で、Accaの1Mサービスですが、これをサポートしているプロバイダーもたくさんあります。あれこれ探していたら、おもしろいのを発見しました。「価格.com」の「キャッシュバックキャンペーン」というヤツです。プロバイダーはOCNですが、価格.com経由で申し込むと、7,000円のキャッシュバックがあるそうです。もちろん開始から3カ月間のプロバイダー料はタダ。ざっと計算してみました(現在のサービスはこれと違っています)。
【回線乗り換えに伴う収支】
NTT初期費用(800+3,050) | 3,850円 |
NTT回線使用料(173×3カ月) | 519円 |
モデムレンタル料(500×3カ月) | 1,500円 |
支出計 | 5,869円 |
キャッシュバック | 7,000円 |
収入計 | 7,000円 |
→ 合計:7,000-5,869=1,131円 |
回線を乗り換えると1,131円儲かってしまうわけで(3カ月で計算)、3カ月ごとにプロバイダーを乗り換えれば、ひと財産築けるかもしれません(なわけはないか)。
もちろん1Mサービスが遅くてどうしようもないならすぐに乗り換えるつもりで、縛り期間がないことも確認しました(1カ月しか使わなくても、キャッシュバックはちゃんとくれるそうです)。そして申し込んだのは7月17日、開通は8月1日ですから、これも十分早いでしょう。
問題の回線の速さはというと、まず必要にして十分、というところ。
【スピードテスト結果:OCN ADSL(アッカ)1M回線】
アップロード速度 | 805.02kbps (103.04kB/sec) |
ダウンロード速度 | 429.34kbps (53.66kB/sec) |
(測定日時:2003/08/01 11:38:15 測定サイト:BNRスピードテスト) |
理論値の8割ですから、帯域をほとんど使い切っていると思います。巨大なデータを落とそうとするとさすがに時間がかかりますが、多少重いサイトを見るくらいなら、ほとんど待たされることはないです。
この1Mサービスは、自分にとっても発見でした。インターネットの基幹が整備されたこともあるのでしょう。これで十分じゃないでしょうか。なんといっても毎月の料金が安いのがすばらしい。
◇ ◇ ◇
そんなわけで、3カ月のプロバイダー無料期間も終わったことだし、次はどのプロバイダーにしようかと考えている今日この頃です。
|
|
ADSLモデムとルータ、無線LANのAirStation。AirStationはごく初期のもので、ISDNモデムを内蔵したタイプ。しかし現在はファームウェアを変更して、単なる無線LANのターミナルとして使用している
|
システム全体。これ以外にノートPCも使っている(カミさん専用)。ちなみに右下のストーブは無関係
|
|
自宅のシステム図。といってもたいしたものではないです。無線LANはとても便利。家庭でこそ生きるものだと思う。もし電波をハックされても、たいした情報は流してないしぃ
|
■参考データ
居住地区 | 神奈川県川崎市 |
回線の種類 | ADSL 1M |
接続事業者 | アッカ・ネットワークス |
線路距離長 | 2,330m |
伝送損失 | 37dB |
プロバイダー | OCN |
スループット | 下り約800kbps |
■ URL
アッカ・ネットワークス
http://www.acca.ne.jp/
OCN
http://www.ocn.ne.jp/
2003/12/11 11:19
|
西尾 淳(WINDY Co.) 編集プロダクション、有限会社ウインディの代表。学生の頃から住所不定生活を営み、長野、九州、北海道などを転々。アメリカにも渡る。帰国後、居酒屋、無印ガソリン販売、バイク便、広告代理店営業、雑誌編集などを経験し、その後独立。人生経験豊富な編集者として、各出版社の人手不足を助ける毎日。現在ウインディが手がけるジャンルは、インターネット、デジタルカメラ、バイクなどの雑誌・単行本。さらにビデオ取材・編集も行なっている。 |
|