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第九十八景：それでもやっぱりADSL ～えっ速度が4倍に!?～ |
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2001年の暮れにADSL回線が開通したこまんちは、あまりの速度の遅さに驚愕した。アナログモデムよりも遅い16.56kbpsというダウンロード速度だったのだ。加えて非常に接続が不安定だった。テクニカルサポートに連絡し、帯域制限をかけて回線を安定させることにしたが、数々のノイズ対策を施し1Mbpsほどまでにスピードを上げることに成功した。しかし、帯域制限がかけられて回線は安定したが速度は830kbps程度になってしまった。さぁ、どうするこまんち!? というわけで、伝送損失53dBという環境でのADSL導入に関しては、本連載の第十一景、「ADSL 8Mが10kbps！？ ノイズ地獄の克服」をご参照いただきたい。 ■ バタバタし続け、もう2年 「光ファイバまでのツナギ」と思ってガマンしてきた低速ADSL回線。実際、まわりの人々はどんどん光ファイバ化して100Mbpsのスピードを手に入れている。このブロードバンド百景で紹介されている諸氏も、今やほとんどが光ファイバのオハナシ。もちろん、自分も夢の100Mbpsにしたいと思い続けてはいるのだが、実はいまだにADSL回線だったりする。なぜかというと……「安い光ファイバ回線がウチのマンションまで来ないんだよー！」。10歩離れた先くらいまで来てるのに。 光ファイバ化は常々考えていて、So-net接続サービスの料金表や対応表をたまにチェックしている。現在、So-netで提供している光ファイバは以下の3種類。 ・So-net 光（UCOM） ・So-net 光（TEPCO） ・Bフレッツ この中で狙っているのはUCOMかTEPCOひかり回線を利用する「So-net 光」だ。とくにUCOM（ユーズコミュニケーションズ）はホームタイプで月額税込5,040円（プロバイダー料込み）というリーズナブルな価格。自宅マンションは3階建ての低層集合住宅なので、マンションタイプは利用できない。ホームタイプで光ファイバを引き込む形となるが、大家さんとは仲が良いので問題なし！ でも、このマンションは微妙にサービスエリア外。Bフレッツにする方法もあるが、少し待てばUCOM回線が利用できるかもしれない。コストは安くあがるなら、それに越したことはない。 そんなこんなで、なかなか光ファイバへの道は進まないので、結果的にADSL回線のままでいる。とはいうものの、速度は驚くなかれ、今や4Mbpsまで上がっているのだ。あれほどまでに悩んだ低速回線からの脱出。そこまでの事情をご説明していこう。 ■ アルミ巻きつけはほどほどに～モデム返却の苦労
その後、IPフォンは正式なサービスとなり、電話料金も発生するようになった（あたりまえ）。ただ、同じSo-net IPフォン同士なら無料なので、これはちょっと助かった。というのは、私が出資している店舗の回線もSo-net ADSLにしたので、IPフォンが使える。料金を気にすることなく電話できたのだ。 さて、そのIPフォン対応のモデムが送られてきた……と言うことは、その時点で使用しているモデムを返却せねばなるまい。返却にあたって、付属品一式を返却するということは、あの「アルミホイルまきまき」ケーブルも返却するということだ。そのまま返しちゃえばいいや！ という性格ではないので、ていねいにアルミホイルを剥がしていく。これが結構な面倒で、こんなしっかり巻かなきゃよかったと後悔するほど。新しいモデムのケーブルは、アルミホイルを簡素に巻く程度にした。 ■ 26Mサービスで新モデムへ
急いでテクニカルサポートに電話をして、外してもらうようにお願いする。断られたときとは違い、ふたつ返事で許諾された。ただ、帯域制限を外すと、また回線が不安定になるかもといわれた。確かにそれは心配のひとつでもあった。しかし、ノイズ対策のノウハウは多少蓄えたので何とかなる。そんな根拠のない自信を持ちつつ、サービス開始を待った。 局内工事の日程が迫り、新モデムが送られてきた。今まで使ってきた富士通製の銀の横置きタイプではなく、NECアクセステクニカ製の黒の縦置きモデムだ。どことなしに某ゲーム機に似ている外観。そして工事が終了し、新モデムに火を入れる。最初に開くのは設定画面だ。ここでユーザー情報とか接続先設定をしなければならない。そして設定完了後、再起動。これで接続されるはずだ。 ―― 再起動中 ―― おめでとう、インターネットに接続しました！（こういうメッセージが出るわけではない） う～ん、さすがに新しいモデムだと表示が速いな。速い？ 再び設定画面を見てみる。なんとダウン側のリンク速度は2700kbps近くまで上がっているじゃないか！ スピード測定をしても2Mbps強のスループット。スゴイ。回線が26Mbpsになったことと、モデムが新しくなったことでこんなにも速度が変わるものなのか。もちろん帯域制限が外されているが、不安定ではない。どうせ速くならないから……とあきらめずに、チャレンジしてみてよかった。接続料金はほとんど変わらず、速度は2倍。これはオイシイ。ちなみに、もう面倒くさいので、ケーブルのアルミホイルは巻いていない。 ■ スピードアップは続くよ、どこまでも 半年ほど経った2004年2月。40Mサービスが開始されるとのアナウンスがあった。……って、この辺の流れはさっきと同じだから割愛。結果だけ。なんと、今度はリンク速度4000kbps達成！ スゴイ、スゴイ。スループットは3.4Mbpsも出ている。新モデム（外観は同じ）のハードウェア進化もあるのだろうが、回線状況はいたって変わらず劣悪（線路距離長：2730m、伝送損失：53dBはADSL開通時と変わらず）なのに、これだけのスピードが望めるなんて。このままサービス自体が進んでいけば、こっちももっともっと速くなっていくかも！ そううまく話が進むわけがない。その後、40Mサービスは47M、50Mとなり、ファームウェアも進化したが、こちらの速度は変わらず。まぁ、モデムは同様でファームウェアだけで速度アップしていくのは、もともとある程度の速度が出ていたユーザーの最大スループットを上げるためのもの。上を伸ばすサービスであって、底上げをするものではない。しかし、さらなるスピードアップがなされ、また回線工事やモデムの交換が必要になったら、きっとこちらの速度も上がることだろう。
■ 光ファイバなんていらないじゃん なんだかんだで結果的に4倍のスピードを手に入れてしまった。とはいっても、たかだか4Mpbsだけど。帯域制限をかけざるをえなかった1Mbpsのままだったら、早い段階で光ファイバに移行していたかもしれないが、4Mpbsもあればとりあえずの苦労はない。たまに大きいファイルを落とすときに待たされるが、そのストレスを緩和するために倍近い料金を支払うなんてナンセンス。とりあえずこれでいい。自宅の回線にコストをかけても、仕事が忙しくてほとんど家にいないんだから。月々の料金はほとんど変わらず、どんどん回線速度は速くなっていく。しかし、電話回線の品質事態はまったく変わっていない。このブロードバンド百景でもトップクラス（？）の伝送損失が改善されれば、きっと回線速度も劇的に速くなるのではないだろうか。いや、それが改善される前に格安光ファイバのサービスエリアに入るかな。どちらにしても、コストをかけたくはない。これからも、そんなチャレンジを繰り返していくのだ。 ■ 参考データ
■ ＵＲＬ So-net http://www.so-net.ne.jp/ So-netの光接続プラン http://www.so-net.ne.jp/hikari/ アッカ・ネットワークス http://www.acca.ne.jp/ 2004/12/02 13:04
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