RFCは「Request For Comment」の略で、直訳すれば「コメント募集」なわけですが、日本語では「標準勧告文章」と訳されるのが一般的です。文字通り、インターネットに関わるさまざまなプロトコルや技術的手段、情報などを網羅するものであり、事実上インターネットを規律する唯一の根拠と言っても良いでしょう。もっとも、インターネットはRFCを拠り所に運営されているわけで、その意味では規範と言っても良いわけですが、実際のRFCはもう少しくだけた感じに作られていたりします(これは後述)。
さて、このRFCがインターネットプロトコルをはじめとするさまざまな技術の標準として扱われているわけですが、それはなぜか? というと、いくつか理由があります。まず、法制度面から言うと、RFCは「ISO(International Organization for Standardizatuon:国際標準化機構)」の「PAS(Publicity Available Specification:公開仕様案)」として認知されています。
また、標準化の過程がオープンで、しかも標準化に対して意見を述べやすいのも特徴の1つです。先の標準化プロセスの中で、標準化提案や標準化草案の段階のRFCに対してコメントを出すことは容易であり(Request for Commentという名前がそもそも、こうした審議の過程でなるべく多くのコメントを出してくれという意味なあたりからも、これが伺えます)、これもまたRFCが尊ばれる理由の1つであります。もちろん、意見が紛糾して議論が収束しないケースもあるので、必ずしもこの仕組みが万能というわけではないのですが、それでも密室で勝手にスペックが決まったりするよりは、はるかにマシであると考える人が多いようです。