ブロードバンドを始めたい! そう思ったときは、一体、何からはじめればいいのでしょうか? 同じような質問を人から尋ねられることも多いでしょう。まずは、第1の関門である回線選びについて解説します。
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一般的に、ブロードバンドと呼ばれる回線には、ADSL、FTTH、CATVインターネットの3種類があります。現在一般的なのは、料金が安く、手軽に利用できるADSLですが、距離や環境による速度低下が発生する可能性があるのが欠点です。
一方、FTTHは環境を問わず高速な通信ができますが、対応エリアが限られ、料金も高くなりがちです。
最後のCATVインターネットは、すでにCATVに加入しているユーザー向けのサービスと言えます。実際にサービスを選ぶときは、速度よりも、料金や導入の手軽さを重要視するといいでしょう。 |
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■ 回線の特徴を知ろう
ブロードバンドは、高速、常時接続、定額という3つの特徴を備えたインターネット接続サービスです。これまでのダイヤルアップ接続は56kbps程度の速度でしたが、ブロードバンドでは数百倍となる数Mbps~数十Mbpsもの速度でインターネットを利用でき、しかも24時間、365日インターネットを使っても料金は一定です。
このようなブロードバンドを利用するには、まず回線を用意する必要があります。主な回線はADSL、FTTH、CATVインターネットの3種類です。それぞれの特徴をまとめると以下の表のようになります。
サービス種別 |
利用する回線種別 |
最大速度 |
月額料金 |
ADSL |
一般電話回線(アナログ回線) |
下り40~45Mbps/上り1Mbps |
3,000~4,000円前後 |
FTTH |
光ファイバー |
上下とも100Mbps(マンションタイプは下り50Mbps前後) |
6,000~7,000円前後 |
CATVインターネット |
同軸ケーブル(光ファイバーも併用) |
下り20~30Mbps/上り1~10Mbps |
4,000円前後 |
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各回線の主な違いは、速度と料金です。もっとも高速なサービスは最大100MbpsのFTTHですが、月額料金も6,000~7,000円前後と高くなります。回線に光ファイバを利用するため、それを宅内に引き込むための工事費用も2~3万円前後もかかりますが、これはキャンペーンなどを利用で無料になることが多いです。
逆に、もっとも料金が安いのはADSLです。速度はFTTHには及びませんが、理論値で最大40Mbps~45Mbpsと決して遅くはありません。
CATVインターネットは、理論値上の下り速度こそもっとも遅いものの、上り10Mbpsのサービスなどもあります。CATVインターネットの月額料金はADSLとほぼ同程度ですが、こちらも工事費用が高くなる点に注意しましょう。
■ 選択肢を確認する
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フレッツ・ADSLのエリア検索画面
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では、これらの回線のうち、どれを選べばいいのでしょうか? まず、考慮すべきなのは、自分の住んでいる地域で、どのサービスが提供されているかです。いくら加入したくても、そのサービスが提供されていなければ加入できないからです。
サービス提供エリアは、各サービスを提供する事業者のホームページから検索することができます。自宅の電話番号や郵便番号、住所などを入力すると、サービスの提供状況が表示されます。また、プロバイダーのホームページなどからも、同様に各回線のサービス提供エリアを調べることもできます。各ページでサービスが利用可能かどうかを調べておきましょう。
下には代表的なADSL、FTTH事業者とエリア確認URLを表にまとめました。表以外にもFTTHやADSLは多くの事業者がサービスを提供していますので、関連記事のADSL事業者リンク集、FTTH事業者リンク集も合わせてご参照下さい。
なお、CATVインターネットは地域ごとに数多くの事業者がありますので、自分の住んでいる地域でサービスを提供しているCATV事業者のホームページを参照してください。
■ ニーズに合わせて回線を選ぶ
さて、これだけでも回線の選択肢がいくつかに絞られたことでしょう。もしかすると、運良く、すべてのサービスの提供エリアに含まれている場合もあるかもしれません。では、実際に利用可能な回線の中から、どれを選べばいいのでしょうか?
速度にサービスを選んでしまうことも多いようですが、一般的には、「1.料金」、「2.導入のしやすさ」、「3.速度」という順番でサービスを選ぶと良いでしょう。
まずは、料金ですが、これは前述したようにもっとも安いのはADSLです。実際の料金は、利用する事業者やコースによって異なりますが、一般的には月額4,000円前後、場合によっては月額2,500円程度から利用可能なサービス(1Mサービス)もあります。
しかも、ADSLは、一般電話回線(アナログ回線)をそのまま利用できるため、2番目の選定条件である「導入のしやすさ」という点でも有利です。すでに電話回線が敷設されている場合であれば、宅内に回線を引き込むなどの工事は必要ありません。
これに対して、FTTHやCATVインターネットは、光ファイバーや同軸ケーブルを宅内に引き込む必要があり、導入には手間がかかります。集合住宅などの場合は、回線の引き込み工事が物理的にできない場合なども考えられます。
■ 速度は理論値より実際の速度を考慮
最後の速度ですが、これは圧倒的にFTTHが有利で、続いてCATVインターネット、ADSLという順番にしました。なぜ、ADSLよりもCATVインターネットの順番を高くしたかというと、実際の速度を考慮したためです。
確かに、理論上の速度は、40/45MbpsのADSLに対して、20~30MbpsのCATVインターネットの方が低くなります。しかし、ADSLの場合、実際の速度は、自宅と最寄りのNTT収容局までの回線の長さ(線路長)に大きく左右されます。
一般的には、40/45Mbpsのサービスであっても、数Mbps~十数Mbps程度の速度しか出ないことが多く、場合によっては1Mbps前後、場合によっては数百kbpsの速度となっていしまうことも珍しくありません(この点については、別の機会に詳しく解説する予定です)。
ただし、速度に関してはそれほど重要でないという考えのもと、選定条件を3番目にしました。現状、インターネット上のサービスでは、下りで2~3Mbps前後ほどの速度が実現できていれば、ほとんどのインターネット上のサービスを快適に利用することができるためです。
このような点を考えると、速度が極端に落ちてしまうようなケースでない限り、料金や導入の手軽さというメリットを備えたADSLを選ぶことをお薦めします。
■ URL
Broadband Watch ADSL事業者リンク集
http://bb.watch.impress.co.jp/link/adsl.htm
Broadband Watch FTTH事業者リンク集
http://bb.watch.impress.co.jp/link/hikari.htm
2004/04/09 13:56
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