低価格なADSL接続サービスとして注目を集めている1M ADSLですが、1M ADSLとはどういったものなのでしょうか? そして、本当にお得なのでしょうか?
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下り最大速度を1Mbpsに抑え、月額料金を3,000円程度と低価格化を図ったサービスが1M ADSLです。40/45Mサービスに比べて月額料金を節約できます。一般的な用途には十分ですが、速度面からストリーミングなどで一部のサービスを利用できないことがあるのが注意点です。 |
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■ ダイヤルアップ接続からの移行に最適
ADSLは安くて速い。そう思っているのは、実は、ヘビーユーザーや昔のインターネット接続環境を知っている人だけかもしれません。数年前、個人向けの専用線サービスが登場したとき、128kbpsで月額30,000円前後という安さに驚いたものですが、それから比べれば、数十Mbpsの常時接続回線が月額4,000~5,000円程度で手に入るADSLは、まさに驚異的な安さと言うことができます。
しかし、そうでない人にとっては、ADSLは決して安いものだとは思えないかもしれません。ダイヤルアップ接続の場合でも、1日あたり10分程度メールをチェックして、少しホームページを閲覧する程度という使い方なら、プロバイダーの料金と電話代を含めても2,000円~3,000円程度で済む場合もあります。それに比べると、いくら速くなると言っても、月々4,000~5,000円の料金負担は大きなものと言えます。
そこで登場してきたのが、1M ADSLというサービスです。ADSLの現在の最高速度は40/45Mbpsですが、1M ADSLでは文字通り、下りの最大速度が1Mbps(上りは512kbpsか1Mbps)に抑えられています。その代わりに、月額料金が3,000円程度(モデムレンタル料等含む)と低く設定されています。
ADSLサービスの料金比較
コース種類 |
最大通信速度 |
料金(VoIP対応モデムレンタル料含む)※1 |
下り |
上り |
Yahoo! BB※2 |
NTT東日本 |
NTT西日本 |
アッカ |
イー・アクセス |
40/45Mコース |
40/45Mbps |
1Mbps |
4,122円 |
4,766円 |
4,955円 |
4,008円 |
4,008円 |
24/26Mコース |
24/26Mbps |
1Mbps |
4,017円 |
4,713円 |
4,923円 |
4,008円 |
4,008円 |
12Mコース |
12Mbps |
1Mbps |
3,702円 |
4,661円 |
4,871円 |
4,008円 |
4,008円 |
8Mコース |
8Mbps(10Mbps) |
1Mbps |
3,282円 |
4,608円 |
4,766円 |
4,008円 |
4,008円 |
1.5Mコース |
1.5Mbps |
512kbps |
- |
3,716円※3 |
4,661円 |
- |
- |
1Mコース |
1Mbps |
512kbps |
- |
- |
- |
2,947円 |
2,947円 |
※1. Yahoo! BB以外の料金はプロバイダーにDIONを利用し、IP電話も契約した場合
※2. NTT東日本エリアの料金
※3. 1年目の料金。2年目以降は4,556円 |
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速度が遅いと言っても、ダイヤルアップ接続に比べれば遙かに速く、しかも常時接続、定額料金というADSLの魅力はしっかりと備えていますので、ダイヤルアップ接続からの移行を検討する価値は十分にあると言っていいでしょう。
■ 2タイプのサービスが存在
このような1M ADSLは、現在、アッカ・ネットワークスとイー・アクセスの2つのホールセール事業者が中心です(1Mbpsサービスを提供している電力系のADSL事業者もあります)。アッカとイー・アクセスでは料金的な差はあまりありませんが、接続される方式が若干異なっています。
具体的には、速度を制限する方法に違いがあります。アッカ・ネットワークスの場合、自宅からNTT収容局までの間は8M(10Mbps)のサービスと同じ方式で接続されますが、NTT収容局以降、アッカ・ネットワークスのネットワーク内で速度が1Mbpsに制限されています。一方、イー・アクセスの場合は、自宅からNTT収容局までの間が1Mbpsに制限されています。
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アッカ・ネットワークスとイー・アクセスの1Mサービスの違い。どの部分の速度を1Mbpsに制限するかという違いがある
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といっても、この違いも実用上は何の影響もありません。どこが1Mbpsになるかが違うだけで、結果的にはどちらも同じ1Mbpsの速度だからです。メリットを挙げるならば、アッカ・ネットワークスの場合、8M(10M)サービスでの速度を確認できる点でしょう。自宅からNTT収容局までは8M(10M)で接続されていますから、ADSLモデムの設定画面で、8M方式での速度を確認することができます。将来的に、もっと速いサービスに移行したいと思ったときの目安にすることいいでしょう。
■ 1Mサービスでできないこと
ただし、1Mサービスにも欠点はあります。それはやはり速度が遅いという点です。もちろん、メールの送受信、ホームページの閲覧といった普通の使い方であれば、1Mbpsも速度があれば、何の問題もなく快適に使えるでしょう。
問題はストリーミングです。インターネット上で配信されている映像の中には、1Mbps以上の高品質なものが存在しますが、これらは1M ADSLでは快適に再生することが難しいのです。一般的にストリーミングの映像は、映像品質(bpsで表されるビットレート)の1.5~2倍の回線速度がないと快適に再生することができないと言われています。つまり、1M ADSLでは、1Mbpsや2Mbpsといった高品質のストリーミング映像を楽しむには物足りないかもしれません。
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1M ADSLは、高品質のストリーミングには不向き
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このような高い回線速度が要求されるサービスを使わず、メールやホームページの閲覧が中心であれば、1M ADSLはお得なサービスと言うことができるでしょう。
■ URL
イー・アクセス
http://www.eaccess.net/
アッカ・ネットワークス
http://www.acca.ne.jp/
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