無線LANの設定時、時々ユーティリティに自宅以外のアクセスポイントが表示されることがあります。このような場合、どうすればいいのでしょうか?
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ユーティリティに表示された見知らぬアクセスポイントは、ほとんどの場合、近所で利用している他人のアクセスポイントだと考えられます。中には暗号化などのセキュリティの設定が一切されていない場合もありますが、間違っても接続しないようにすることが大切です。万が一、接続してしまうと、その行為が不正アクセスと見なされてしまう可能性があります。
また、中にはわざとセキュリティ設定をせず、いたずら半分にアクセスしてきたユーザーのIDやパスワードなどの情報を取得して、逆に悪用するというケースも存在します。
自宅はもちろん外出先などでも、見知らぬアクセスポイントには絶対に接続しないように注意しましょう。
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■ セキュリティが不十分なアクセスポイントは外部からアクセスできる
無線LANのユーティリティには、近くに存在するアクセスポイントを自動的に検索して、リストアップする機能が備えられています。これは、自宅に設置したアクセスポイントを探し出し、接続するのには大変便利ですが、困ったことにリストアップされるのは自宅に設置しているアクセスポイントだけとは限りません。
近所で同様に無線LANを利用しているユーザーがおり、その電波がたまたま受信可能であれば、これらのアクセスポイントも同様にユーティリティにリストアップされてしまいます。外出先で無線LANを利用する場合も同様です。公衆無線LANサービスでノートPCを起動すると、近所の会社などで利用しているアクセスポイントが表示されてしまうこともあります。
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場合によっては、接続時に見知らぬアクセスポイントが表示されてしまうことがある。ユーティリティで暗号化の有無なども確認できるが、絶対に接続しないように注意しよう
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もちろん、最近のアクセスポイントには、ESS-IDを隠す機能が搭載されていますから、この機能を有効にしておけば、通常は外部にアクセスポイントの存在が知られることはありません。このため、前述したようなアクセスポイントは、セキュリティ設定が完全ではないと考えられます。場合によっては、暗号化やMACアドレスフィルタリングなどの設定もなされていない場合もあり、存在が知られてしまうだけでなく、第三者が不正に接続できてしまう可能性も高いと言えます。
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セキュリティ設定が完全でないアクセスポイントが近隣に存在する場合、その電波を受信するとこで、ユーティリティにアクセスポイントがリストアップされてしまう
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■ 他のアクセスポイントには接続しない
もしも、このようなアクセスポイントの存在に気が付いたときは、決して接続しないことが大切です。興味本位で接続してしまうと、実際に危害を加えるつもりがなかったとしても、その行為自体が「不正アクセス」と見なされてしまう可能性があるからです。2000年2月に施行された「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」は、以下のように規定しています。
「アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為」 |
このうちの特定電子計算機がアクセスポイント、識別符号が無線LANのSSIDや暗号キーに相当すると解釈されると、場合によっては見知らぬアクセスポイントに接続することが「不正アクセス」と判断可能性も否定できません。
中には、ESS-IDが識別符号に当たらないとする考え方や、そもそも識別符号に相当するであろう暗号キーが設定されていないのだから、法律が適用されないとする考え方もあるようですが、セキュリティの設定が完全でないからという理由で、勝手にアクセスポイントに接続することが許されることでもないでしょう。この考え方が正当化されてしまうのであれば、実際に物を盗らなければ、カギがかかっていない家に侵入してもいいというのと同じことになってしまいます。
いずれにせよ、見知らぬアクセスポイントが表示されたとしても、決して接続しないようにしましょう。間違って接続してしまった場合は、すみやかに切断して、以後は接続しないようにすることが大切です。
■ URL
関連記事:総務省、サイバー犯罪の罰則規定などを盛り込んだ改正電波法案を国会提出[INTERNET Watch]
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/19/1784.html
2004/10/22 10:56
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