インターネット上に存在するのは有益な情報ばかりとは限りません。有害なコンテンツを表示させないようにするにはどうすればいいのでしょうか?
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子供などに有害なコンテンツを見せないようにするには、コンテンツフィルタリングの導入を検討するといいでしょう。ただし、コンテンツフィルタリングには、いくつかの方法があるため、どれを利用するかを慎重に検討する必要があります。
一般的なのはソフトウェアを利用する方法ですが、これは1台のパソコンを家族で共有している場合、もしくは対象のパソコンに対して管理権限を持っている場合に限られます。インターネット上で提供されているサービスも同様です。
対象のパソコンに対して直接対処することが不可能な場合は、ルータなどの通信機器によるコンテンツフィルタリングの利用も検討するとよいでしょう。
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■ コンテンツフィルタリングとは
サイトの種類をあらかじめ決められたルールで判断し、アクセスの可否を制御する仕組みを一般的に「コンテンツフィルタリング」と呼びます。企業などでは業務効率の向上を目的として比較的古くから導入されていますが、最近では子供を有害なコンテンツから保護する目的で、家庭でも使われることも珍しくなくなってきました。
コンテンツフィルタリングには、後述するようにいくつかの種類がありますが、基本的な仕組みはほとんど同じです。有害と思われるサイトをデータベースとして保存しておき、実際にアクセスする際に指定されたURLをデータベースと照合します。そして、あらかじめ設定されたルール(制御のレベル)に従って有害か無害かを判断し、有害と判断された場合はメッセージとともに実際のアクセスを遮断します。
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コンテンツフィルタリングの基本的な仕組み。アクセス先のURLをデータベースと照合し、アクセスの可否を判断する
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どのサイトが有害でどのサイトが有益なのかの判断は難しいところですが、子供のアクセスを制御する場合は、一般的にアダルトやドラッグ、暴力といったカテゴリに属するサイトへのアクセスが遮断されるようになっています。
■ 環境によって利用方法はさまざま
このようなコンテンツフィルタは、機能を実装する場所に応じて、ソフトウェアタイプ、ゲートウェイタイプ、プロキシタイプの3種類に大きく分類できます。
現在、もっとも一般的なのは、前述したソフトウェアタイプに分類されるコンテンツフィルタソフトを利用する方法でしょう。シマンテックの「Norton Internet Security 2005(保護者機能)」やトレンドマイクロの「ウイルスバスター2005(URLフィルタ)」などのウイルス対策ソフトの機能として提供されていたり、デジタルアーツの「i-フィルター」のような専用のフィルタリングソフトなどで利用できます。また、実質的には手動で設定する必要がありますが、Inernet Explorerに搭載されているコンテンツアドバイザでも、同様の機能を実現できます。
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Internet Explorerの「コンテンツアドバイザ」機能
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ウイルスバスター2005のURLフィルタ機能
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このようなコンテンツフィルタソフトは、それぞれ機能に違いがありますが、手軽に利用したいのであれば、ウイルス対策ソフトの機能がおすすめです。パソコンにプリインストールされていることも珍しくありませんので、機能を有効にするだけで、すぐに対策ができます。ただし、ウイルス対策ソフトの機能はあくまでも簡易的なもので、基本的には有害なコンテンツを遮断することしかできません。
これに対して、「i-フィルター」などの専用のコンテンツフィルタソフトは、ユーザーごとの細かいレベル設定(Norton Internet Securityは可能)、アクセス禁止時間の設定、アクセスを遮断した際に表示されるメッセージのカスタマイズなどが可能です。また、レポート機能なども搭載されており、対象ユーザーがいつ、どこにアクセスしたかという分析を行なうこともできます。より万全な対策をしたい場合は専用のコンテンツフィルタソフトを利用した方がいいでしょう。
このような問題は、前述したプロキシタイプの場合も同様です。プロキシタイプでは、プロバイダーやインターネット上で提供されているサーバーの機能によってコンテンツフィルタを実施しますが、この機能を利用するにはクライアントにプロキシサーバーの設定をしなければなりません。ソフトウェアタイプと異なりインストールの手間はありませんが、やはり対象者が自分専用のパソコンを利用している場合は設定が難しいケースがあります(サービスによっては設定用ソフトウェアをインストールする場合もある)。
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フィルタリングサービス「親子ネット」
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@niftyのコンテンツフィルタリングサービス
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■ 理想的なのはルータなどの通信機器によるフィルタリング
上記のような場合、理想的なのは、ルータなどの通信機器によってフィルタリングを実施するゲートウェイタイプだと言えます。コンテンツフィルタ機能を搭載したコンシューマー向けのルータは、バッファローから発売されている程度で現状はほとんど存在しませんが、前述したソフトウェアタイプやプロキシタイプの欠点を解消できます。
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ゲートウェイタイプでは、複数のPCのフィルタリングをまとめて行なうことが可能
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ルータの設定さえしておけば、LAN内のパソコンの設定を変更する必要はありませんから、対象者のパソコンの管理権限がない場合でも強制的にコンテンツフィルタを適用できます。パソコンのコンピュータ名やIPアドレスを指定して、特定のパソコンだけフィルタの適用を無効する、サービスによってはレポートを参照するなどもできますので、機能的にもソフトウェアタイプと遜色ありません。
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ルータを利用したバッファローのコンテンツフィルタリングサービス
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2005/03/25 11:14
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