ウイルスや不正アクセスによる被害など、インターネット上にはさまざまな危険が存在しています。このような危険から身を守るためには、どのような対策をすればいいのでしょうか?
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セキュリティ対策には、大きく分けて「ウイルス対策」「不正アクセス対策」の2つがあります。ウイルスに対しては、ウイルス対策ソフトやISPのウイルス対策サービスを利用することで対応できます。一方、不正アクセスには、ブロードバンドルータやセキュリティ対策ソフトを利用することで対処できます。
とは言え、すべての対策を講じるには費用も労力も必要です。ウイルス対策はパソコンのソフトで、不正アクセスはルータで、といったように効率的な組み合わせで対策することが重要です。 | |
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■ セキュリティ対策の種類
「インターネットの利用にはセキュリティ対策が不可欠」。良く見かけるフレーズですが、具体的にどうすればいいのかと、迷ってしまう人も少なくないのではないでしょう? そもそも、何が危険なのか、それに対してどのような対策をすればいいのかがわからないと、具体的な対策も立てられません。
インターネット上のセキュリティ対策は、大きく2つに分類することができます。1つは「ウイルス対策」、そしてもう1つは「不正アクセス対策」です。
ウイルス対策はとは文字通り、ウイルスに対抗するための対策です。ウイルスとは、何らかの不具合を発生させることを目的に、悪意を持って作成されたプログラム(ウイルス)のことです。パソコンがウイルスに感染すると、パソコンに保存されているデータが第三者に勝手に送信されてしまったり、データやパソコンの動作に必要なプログラムが削除されるといった被害に遭ってしまいます。このようなウイルスにパソコンが感染することを防止し、さらに被害が拡大することを防ぐのがウイルス対策です。
ウイルスによる被害は、さまざまなメディアで取り上げられることも多くなり、その対策の重要性が、比較的広く知られるようになってきました。パソコンにウイルス対策ソフトがプリインストールされることも珍しくなくなってきましたので、実際に対策をしている人も少なくないでしょう。
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セキュリティ対策は大きく分けて2種類。ウイルスの感染を防ぐ「ウイルス対策」と外部からの不正侵入を防ぐ「不正アクセス対策」がある
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一方、不正アクセス対策は、インターネットなどから不正にパソコンに侵入されることを防止するための対策です。不正アクセスに遭うと、パソコンに保存されているデータを盗み見られたり、それを勝手に書き換えられたり、削除されてしまう恐れがあります。
また、踏み台と呼ばれる攻撃により、まったく別の第三者を攻撃するための経由地として、自分のパソコンが勝手に使われてしまう可能性もあります。踏み台にされてしまうと、攻撃を受けた側からは、あなたのパソコンから攻撃が行なわれているように見えますので、被害を受けると同時に、加害者になってしまうこともあるのです。
このような不正アクセス対策は、ウイルス対策に比べるとまだ知られておらず、実際の対策もなされていない場合が多いようです。しかし、FTTHやADSLなどの常時接続環境の普及によって、不正アクセスによる被害も確実に増えつつあります。いずれの対策も、もはや他人事ではなくなっているのです。
■ 実際の対策方法は?
では、ウイルスや不正アクセスに対抗するためには、実際にどのような対策をすればいいのでしょうか? これには、ソフトウェアでの対策とハードウェアでの対策の2通りが考えられます。
ソフトウェアの対策は、ウイルス対策のところでも少し触れたように、ウイルス対策ソフトなどのセキュリティ対策ソフトを利用する方法です。このようなソフトウェアをパソコンにインストールしておくと、ウイルスが添付されているメールを受信した場合に自動的に削除したり、パソコンとインターネットの通信を常に監視して、不正アクセスを遮断することが可能となります。
最近のセキュリティ対策ソフトは、ウイルス対策と不正アクセス対策の両方ができるようになっている製品が多く、インストールするだけで手軽に利用できるので、通常はこの方法を利用するのが一般的と言えるでしょう。もちろん、ソフトの設定や定義ファイルを常に最新のものへ更新するといった作業も不可欠です。
ジャンル |
メーカー |
製品名 |
標準価格 |
更新サービス※ |
統合セキュリティ対策 |
シマンテック |
Norton Internet Security 2004 |
8,232円 |
5,040円 |
トレンドマイクロ |
ウィルスバスター2004 インターネットセキュリティ |
8,925円 |
4,179円 |
マカフィー |
マカフィー・インターネットセキュリティスイート |
7,560円 |
7,560円 |
ウィルス対策 |
シマンテック |
Norton AntiVirus 2004 |
5,712円 |
3,780円 |
マカフィー |
ウィルススキャン |
5,754円 |
3,276円 |
※1年間の延長料金
一方、ハードウェアでの対策は、ルータやセキュリティ対策機器を使います。ADSLモデムやFTTHのメディアコンバータにルータやセキュリティ対策機器を接続することで、パソコンとインターネットとの通信を監視し、不正アクセスやウイルスを遮断できます。
ハードウェアを利用する方法のメリットは、家庭内のネットワークに接続した複数台のパソコンを同時に保護できる点です。ソフトウェアによる対策の場合、ソフトウェアを各パソコンにそれぞれインストールしなければなりませんが、ハードウェアによる対策の場合はネットワーク上に機器を1台設置するだけで済みます。費用面、手間などを考えると、こちらの方法を利用するメリットも高いと言えるでしょう。
ただし、ハードウェアによる対策の場合、利用する機器にどのような機能が搭載されているかをよく確認する必要があります。一般的なブロードバンドルータの場合、前回紹介したNATやNAPTの機能によってある程度は不正アクセスを防ぐことができます。また、フィルタリングやSPI(ステートフルパケットインスペクション)などの機能によって外部からの通信を遮断したり、有名な不正アクセスのパターンを検知して特定の通信を遮断することなどができます(簡易ファイアウォール)。
しかし、不正アクセスは遮断できても、ウイルスの侵入を検知したり、ウイルスを削除することはルータではできません。ウイルス対策までもをハードウェアで行なう場合は、一般的なブロードバンドルータではなく、トレンドマイクロの「GateLock X200」やNTT東日本が提供するフレッツ・セーフティ向けの「Web Caster X300」、「Web Caster X400V」(いずれもフレッツ・セーフティの契約が必要)など、ウイルス対策にも対応したネットワーク機器が必要になります。
このほか、ISPによっては、ウイルス対策サービスをオプションサービスとして提供している場合などもあります。このようなサービスを利用すれば、メールにウイルスが添付されていた場合などでも、ISPにメールが届いた時点でウイルスを削除できます。メール以外の経路で感染するウイルスからパソコンを守るにはさらにオプションの契約が必要なことがありますが、月額数百円程度の料金で手軽に利用できる点がメリットです。
つまり、セキュリティ対策を行なうときは、ソフトウェア、ハードウェア、ISPのサービスの3つの機能を見極め、それぞれを組み合わせて利用することになります。それぞれ、対策が可能な点について表にまとめておきますので、ウイルス対策と不正アクセス対策の両方が効率的にできる組み合わせを選ぶようにしましょう。
対策方法 |
ウィルス対策 |
不正アクセス対策 |
統合セキュリティ対策ソフト |
○ |
○ |
ウィルス対策ソフト |
○ |
× |
ウィルス対策対応ルータ |
○ |
○ |
ブロードバンドルータ |
× |
○ |
ISPウィルス対策サービス |
○ |
× |
ISP不正アクセス対策サービス |
× |
○ |
もちろん、これらの対策をすべて同時に利用することも可能です。しかし、この場合、ネットワークでやり取りするデータがソフトウェアとハードウェアの両方で2重にチェックされることで、通信速度が低下するという弊害が出る可能性があります。いろいろな対策を行なうのではなく、それぞれの対策の特徴を考慮して、適切に使い分けることが重要と言えるでしょう。
このほか、セキュリティ対策には、OSのアップデートなども不可欠です。これについては、次回、詳しく紹介することしましょう。
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2004/07/30 09:48
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