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[2005/01/14]
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[2004/12/17]
■ 第29回：FTTHは本当に100Mbpsなの？
[2004/12/10]
■ 第28回：FTTHってどうやって導入するの？
[2004/12/03]
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第5回：ADSLってどういう仕組みなの？


　ADSLでは、ダイヤルアップ接続を大幅に上回る40/45Mbpsでの速度を実現できるようになっています。同じ一般電話回線を使っているのに、どうして高速な通信ができるのでしょうか？

　これまでのダイヤルアップ接続では、4kHz程度とごくわずかな周波数の帯域しか使っていませんでした。ADSLでは、これをはるかに上回る26kHz～3,750kHzという非常に幅広い周波数帯域を使うことで、高速な通信を実現しています。


■ ダイヤルアップ接続の800倍の通信速度

　ほんの数年前まで、インターネット接続の速度は最大56kbps（アナログ回線の場合）という速度でした。しかし、ADSLの登場によって、この速度は一変します。1.5Mbps、8Mbps、12Mbps、24/26Mbpsと速度は年々向上し、今や最大速度は40/45Mbpsにまで達しました（2004年4月現在の最大理論値）。単純に数値だけをダイヤルアップ接続の速度と比べると、実に700～800倍という大幅な速度向上を遂げたことになります。

　では、ADSLでは、どうしてここまで高速な通信ができるのでしょうか？　最大56kbpsのダイヤルアップ接続も、40/45MbpsのADSLも、利用するのは同じ電話回線（アナログ回線）です。同じ回線を使っていながら、700～800倍も速度が向上するというのは、少し不思議に感じる方もいるかもしれません。




■ 電話回線の能力を極限まで使うADSL

　この理由は、実はそれほど複雑なものではありません。結論から言えば、ADSLが速いのは、一般電話回線が持つ能力を極限まで利用しているからです。

　具体的に説明しましょう。まずはダイヤルアップ接続ですが、これは電話の音声通話で利用する信号を使ってデータ通信を行ないます。パソコンで使われるデジタル信号を、モデムという機械を利用して電話の音声と同じアナログ信号に変調し、それを電話回線でやり取りしているのです。

　問題は、この信号の周波数帯が4kHzと非常に狭いことです。電話はもともと音声を伝えるためのものですから、それほど広い周波数帯の信号を利用する必要はありません。この信号を使うため、データ通信の速度も限られていたのです。


音声通話では4kHzまでしか利用していなかったが、ADSLではさらに上の周波数帯を幅広く利用することで高速な通信を実現している

　これに対して、ADSLでは、電話の音声通話とはまったく別の周波数帯の信号を利用します。具体的には、上りの通信に26kHz～138kHz、下りの通信に138kHz～3,750kHzという非常に広い周波数帯の信号を利用します。利用する信号の周波数帯が広ければ（「高い」ことではなく「広い」ことが重要）、それだけ多くのデータを搬送することができます。これによって、高速な通信を実現しているわけです。

　つまり、一般電話回線には、これまでダイヤルアップ接続で利用されていなかった高い周波数帯が使われないまま眠っていたことになります。この部分を極限まで利用することで、ADSLによる高速な通信が可能になったということになります。

　なお、ADSLには、1.5Mbps、8Mbps、12Mbps、24/26Mbps、40/45Mbpsと、速度の違いによっていくつかの規格がありますが、これらの違いも利用する周波数帯が異なるためです。このようなことからも、速度と信号の周波数帯の間には密接な関係があることがわかるでしょう。



関連情報

■ ＵＲＬ
　 関連記事：アッカ、下り最大10Mbpsの拡張サービス、秋には12Mbpsの新メニューも
　 http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/06/14/acca.htm

■ 関連記事
・ イー・アクセス、ADSLを高速化、7月から24Mbps、秋から30Mbps
・ NTT東日本、「フレッツ・ADSL モアII」を下り最大40Mbpsに高速化

2004/05/14 11:08
清水理史
製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できるブロードバンドインターネット Windows XP対応」ほか多数の著書がある。
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